2019年05月03日
「アデュカヌマブ」断念
実用化間近と期待されていた「アデュカヌマブ」というアルツハイマー病治療薬の臨床試験が中止になりました。
アデュカヌマブは、エーザイと米国の製薬企業バイオジェンが共同で開発を進めていた、「抗アミロイドβ抗体」と呼ばれる化合物の一つです。
アルツハイマー病は、脳内に「アミロイドβ」という物質等がたまり、それらが神経細胞を破壊することで起こると考えられています。
そこで、アミロイドβを取り除けば根治につながるのではないかと、開発が進められているのが抗アミロイドβ抗体です。
アデュカヌマブは、最終段階の第Ⅲ相試験まで来ていました。しかし、認知機能の低下抑制効果などの主要評価項目を、クリアすることができないと判断されたようです。
2012年にには抗アミロイドβ抗体「バピネオズマブ」(米ファイザー)が第Ⅲ相試験で開発を断念。16年には軽度のアルツハイマー病患者を対象に開発を進めていた「ソラネズマブ」(米イーライリリー)が承認申請を取りやめました。
アルツハイマー病治療薬の開発は、残念ながら苦戦をつづけています。
harutoshura at 14:47│Comments(0)│アルツハイマー考