「一元的」な体制痴呆性老人専門治療病棟

2019年03月05日

専門病棟

昭和62(1987)年8月に出された痴呆性老人対策推進本部の報告で、施設対策として最も緊急を要するとしているのが、「精神症状や問題行動の著しい痴呆性老人の受入施設の問題」です。

当時の状況では、痴呆性老人を抱える家族が多大の精神的、身体的負担を余儀なくされている一方で、既存の体系の枠内では、必ずしも施設が十分な医療や介護を行い得ていない、と断定しています。

そして、特に精神症状や問題行動の著しい痴呆性老人に対しては、「魔の3ロック」といわれるような行動制限や薬物多用といった治療方法よりも「生活機能の回復等に重点を置いて、精神科的な専門医療と十分な介護を行うことが適当」として、そうした医療、介護を可能とする痴呆性老人専門の病棟を、老人人口や医療の供給体制など各都道府県の特性に応じて整備すべきであると強調します。

そして、この病棟にはデイ・ケアを行うための施設を併設し、介護家族の支援や退院の円滑化に役立てる、としたうえで、専門治療病棟の整備や普及を図るために、適切な病院を選んでパイロット事業を実施するとともに、回廊式廊下やリハビリテーション機器などの特殊な施設設備の整備と適切な人員確保に努めることなどを提言しています。


harutoshura at 23:05│Comments(0)アルツハイマー考 

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