神経原線維変化「長谷川式」

2019年01月22日

中間型

アルツハイマー病には、“脳のシミ”である老人斑と“脳のゴミ”ともいえる神経原線維変化が特徴的に見られることを、きのうまで見てきました。

しかし、老人斑も、神経原線維変化も、その量などは違っても、正常な老人の脳においても見られる現象です。

たとえば、いま82歳のねえちゃの場合にしても、こうした変化は、年齢相応の生理的な老化によるものと病気による変化が重なって現れているはずなのです。

脳を病理学的に観察する際も、実際のところ、老化によるのか、病的変化なのか、どちらの原因によっているかは、はっきりしないことも少なくないそうです。

正常な老人の脳とアルツハイマー病との区別は、これらの変化の起こる場所やその量によって判断されますが、実際は典型的なアルツハイマー病の病変をもつものだけでなく「中間型」もかなりあることがわかっています。

すなわち、「老人斑は多いけれども神経原線維変化は少ない」「海馬の周辺では老人斑や神経原線維変化が多いが大脳皮質では正常の脳と区別がつきにくい」といったケースも少なくないのです。

アルツハイマーの時代とは違い、近年は、アルツハイマー病は脳の老化と密接に関係した病気と考えられています。中には、脳の老化が何らかの原因で促進されたために起こるのがアルツハイマー病であるとみる専門家もいるそうです。


harutoshura at 18:43│Comments(0)アルツハイマー考 

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