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2019年01月17日

大脳新皮質

アルツハイマー病で亡くなった人の脳で最初に目立つのは、脳が小さくなり、最も小さい場合には正常の60%にまでなっていることがあげられます。

これは、神経細胞が死んで脱落することが原因と考えれています。普通の老化でも、神経細胞は年を取るごとに減っていきますが、アルツハイマー病には減る部位に特徴があります。

アルツハイマーの脳を詳しく調べた米国の研究者の報告では、神経細胞の数が減っているのは主に①大脳新皮質のうちの記憶や思考に関連している部分②記憶に重要な働きをしている海馬とその周辺、だったそうです。

大脳新皮質というのは、大脳の表面を占める皮質構造のうち、進化的に新しい部位。合理的・分析的な思考や言語機能をつかさどっていて、高等な生物ほど大きくなる傾向があるところです。

また、神経細胞が死ぬのよりも先に、他の神経細胞からの情報を受け取る「手」のような役割をしている樹状突起にも変性や脱落が起こっていることが分かっていますが、大脳新皮質では神経細胞同士の横の連絡に重要な層の神経細胞から出ている樹状突起で異常が著しいそうです。

アルツハイマー病には、きのう見た人間ならではの「より高次の判断をする回路」や、「人間らしさ」のもとになっているような繊細なところから壊されていく傾向がありそうです。


harutoshura at 23:06│Comments(0)アルツハイマー考 

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