ちょうど昭和から平成に変わったころ、「ねえちゃ」は、5年前に死んだおじいさんと、いまの家に引っ越してきました。分譲住宅として売り出されていた区画の、最後の一戸だったそうです。

ちょうど同じ時期に住みはじめ、ずっと親しくしてきたお隣のおばあさんが、年明け早々に亡くなりました。「ねえちゃ」より一回り上の90歳を過ぎたかたです。

年をとってからも一生懸命に働き通している姿などを見て、「ねえちゃ」はずっと尊敬し生きる励みにしてきたのだそうです。そんな大切なお隣さんの死に、彼女はなんだかとても動揺したようです。

お通夜やお葬式の日取りを聞いては忘れ、聞いては忘れて、何度も何度も隣近所の人たちを訪ねまわったり、1月8日にあったお葬式の直前になって急に「行きたくない」と言い出して困らせたり。

それでも、神道で行われたお葬式に参列して玉串奉奠をさせていただくと、気持ちがふっ切れたようでした。終わってから葬儀場の向かいの喫茶店に入って「来てよかった。よかった」と晴れ晴れした顔つきで、マロンケーキを一つ平らげました。