日が暮れる少し前になると、ゆっくりゆっくり足を少しずつ前に出しながら、田んぼのわきを歩いている初老の男性にしばしば出あいます。
脳血管系の病気か何かで、半身が不自由になられて、そのリハビリのために歩いておられるのでしょうか。
ねえちゃはカラダは元気ですが、相変わらず、アタマのほうは「ぼか~んとしたまんま。何がなんだか分からない」と嘆く日々が続いています。
「何もやることがない」「何もしたいと思わない」「そのうちに何にも分からなるんじゃないかと気がきでない」
ハタから見ると元気で、自分でもカラダの衰えは感じていないのに、アタマの衰えがじれったくてしかたがないようです。
「決めたテレビ番組を毎日見るとか、毎日一品自分で食べたいものを作ってみるとか、一日一ページずつでも本を読むとか、あのおじさんのようにほんの少しずつでもリハビりだと思って続けたら」といつものように話します。
「そうなんだよね」といつものように応えながらも、こうした周りの言葉はねえちゃの頭には留まることなく、すぐに消えて行ってしまいます。