空間の作法選挙の春

2019年04月03日

馴染んだ空間、環境を助けに

グループホームでの行事も、面会に来た人も、さっきの食事も、最近は、ねえちゃの頭にはほとんど残らず、すぐに消え去っていってしまいます。

それでも、子どものころの思い出や戦争体験など長期にさかのぼった記憶は、断片的にではあれ、明瞭に残されていて、しばしば、いま目にしているように詳しく話してくれます。

外山さんは、このように記憶を探り出して、手がかりにしながら日常生活行為を再構築していくことはできていて、この際も「過去に馴染んだ空間、環境が大きな助けになる」と考えていました。

一方で、こうした高齢者に対しては、言葉による問いかけによっていちいち記憶を試したりすることはストレスを倍加させることにもなりかねません。まったくの逆効果です。

うまく機能しなくなっている思考の代わりに、体に深く刻み込まれた生活習慣や記憶、たとえば古い記憶にとどめられた物や色、形、音楽、においなどを用いて、その記憶を呼び覚ますことが効果的だと外山さんはみていました。

だから、居住空間でも、共用空間でも、高齢者たちがかつて日常生活の中で長く馴染んできた建具や道具類、活発だった青壮年期に流行した家具やインテリア、世代文化を反映した絵や写真、道具などを、記憶を呼び覚ます“仕掛け”として配し、生活空間を構成することがきわめて有効となるのです。


harutoshura at 23:07│Comments(0)アルツハイマー病関連 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
空間の作法選挙の春