「垂直」から「水平」「横断」へ警告を発するカナリア

2019年03月31日

家族は「敵」に

在宅で、認知症初期の症状である繰り返される質問を無視したり、言葉による暴力をふるったり、といったことは、日常介護のストレス状態のなか、家族であるゆえに無意識にむしろ行なわれてしまいがちです。

親子や配偶者といった血縁・親族縁でがんじがらめになっているために、相対化できず、感情が煮詰まってしまい、非理性的な行為に走ってしまう。

介護するほうは、その行為に至るまでの経緯をしっかり覚えていて、激昂してしまったそれなりの理由もあります。しかし、介護される当事者にとっては、経緯はもう忘却の彼方です。

でも、殴られた痛みや、罵倒され傷ついた感情は澱のように残っている。外山さんは、こうした経緯の不明な傷が累積していくことによって、家族は「敵」になっていくのだといいます。

グループホームでは、血縁につながれない相手が、感情をひきずることなく認知症高齢者のありのままの姿を受け入れてくれます。外山さんは次のようにいいます。

「グループホームですっかり落ち着いた身内に接して、家族は自分たちが在宅でおこなっていた「介護」の中身と、家族であることの罪とに向き合わされるのである。

けっきょく家族が家族になるためには、そこで信頼関係が新たに結び直されねばならず、また新たに出会い直さなければならないのだ。というより、ここでようやく家族は、高齢者と向き合うことができるのだと思う」。


harutoshura at 11:46│Comments(0)アルツハイマー病関連 

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