アミロイドカスケード仮説アミロイド免疫療法

2019年02月18日

γセクレターゼ阻害剤

脳に蓄積されてアルツハイマー病の原因になると考えられている「βアミロイド」を詳しく見ると、「アミロイド前駆体たんぱく質」(APP)という物質から切り出されてできるペプチド(アミノ酸が二つ以上結合したもの)であることが分かっています。

この「切り出し」の最終段階では、「γセクレターゼ」という酵素が働いてます。γセクレターゼによって、このたんぱく質が切断されて細胞外に放たれ、脳内にβアミロイドが蓄積されていくのです。

γセクレターゼによって切断されたβアミロイドは、とりわけ凝集能が高いので、もしも「γセクレターゼによる切断」を抑え込む薬ができれば、きのう見たアルツハイマー病をやっつける「セレクターゼ阻害剤」として極めて有力と考えられます。

実際、「γセクレターゼ」の阻害剤が、髄液、脳皮質、海馬などで、βアミロイドを減少させることが動物実験で確認されています。

とすれば、アルツハイマー病の根治薬としてすぐにでも使えるようになるのかな、とも思えますが、そうは簡単にはいきません。

「γセクレターゼ」というのは、βアミロイドだけでなく、生物の発生や分化に関わる「Notch」という生理的に重要なたんぱく質の切り出しも行っているからです。

そのため、「γセクレターゼ阻害剤」はそのままでは、消化器障害や皮疹、倦怠感、さらには、がんなどの副作用を起こしてしまうリスクを負ってしまいます。

こうした「Notch」への影響を少なくして、「γセクレターゼ」の働きを選択的に抑え込むことができないか。そのための「γセクレターゼ」の機構解明や薬の開発研究が、現在も、しのぎを削ってつづけられています。


harutoshura at 19:49│Comments(0)アルツハイマー病関連 

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