ヴェロナールアメリカ初症例

2018年11月29日

歴史の始まり

これまで見てきたように、「アルツハイマー病」という概念は、1910年にエミール・クレペリンが、彼の精神医学の教科書を改訂した際に初めて用いられました。

つまり教科書の「このようなアルツハイマー病の臨床的解釈は、現在のところまだ明らかでない」という記述によって、現在、世界で最も有名な病気の歴史はスタートを切ることになったのです。

このブログでも、これから少しずつ、100年にわたるこの「アルツハイマー病」の遍歴を追いかけてみたいと思いますが、どうもこの病気の臨床的解釈はいまも「明らか」になったとは言いきれず、まだまだ不明な点がたくさんある状況です。

それでは、自分の名前が冠されたことに対する当時のアルツハイマーの反応はどういうものだったのでしょう。

1911年初め、医学誌に寄稿した「老年者の特異な疾患について」のなかに、「私が特異な症例として取り上げたこれらの例が、老年痴呆と区別するだけの臨床及び組織学的特徴を示しているかどうか、或いは老年痴呆に組み込むべきなのか等の疑問が自ずと湧いている」と記しています。

意外にも、「アルツハイマー病」という概念に対する当事者の見方は、どちらかといえば懐疑的だったようです。


harutoshura at 23:57│Comments(0)アルツハイマー 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
ヴェロナールアメリカ初症例