言語障害解剖所見

2018年11月25日

こん こん こん

さらに、アルツハイマーの症例の言語障害についてクレペリンの教科書によると、言語の書写テストでは、書き取ってみると甚だうまくいかないが、次のような、速かな、律動的に並んだ言葉の断片の所見が得られた、とされています。

「わた した こん こん こん こん こんな そこ そこ そこ あり ほら この こん こん こん らあ だれか やった へん こん へん こん こん こん こんな ふうに なる こん こん だん だんな だい だい やる ほん へん だん やあ やる わる わる わる ……」

そして、最終的に患者は全く話さなくなってしまう。興奮した時に、いくつかの了解可能な言葉や意味のない音節群をやっというだけとなる。字を書くことは全く不可能となる。と同時に、極めて高度な痴呆が発生してくる、のです。

患者は、向きあえば目をあげたり、笑みをうかべたりすることはあるものの、言葉や顔の表情を全く理解することができず、近親者が認知できず、直接身体をつかまえられると怒りの身振りをし、せかせかと、粘着的音節でどなるが、その時には、まだ理解できるような悪口がまじる。

彼らは自力で食事を取ることができず、その他の身の回りのこともできず、手に与えたものを何でも口に入れてしまい、目の前に出された物を何でもしゃぶる。時に不穏となったり、怒りっぽくなったりすることもある、とクレペリンの教科書には記されています。

ところで、日曜日のきょうは、朝、昼、夜と、ねえちゃから「いま、ごはん終わってねえ……」と、にこやかな声で3回電話がかかってきました。まだ、私のことは分かり、日記を書くこともできているといいます。アルツハイマー病といってもねえちゃはまだまだ“新参”の部類なのでしょう。


harutoshura at 22:08│Comments(0)アルツハイマー考 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
言語障害解剖所見