2018年10月21日
カルテ
後に、アルツハイマー病と診断された最初の患者ということになるアウグステのカルテは、次のようになっていました。
カルテ番号:7139
姓:D、旧姓H
名:アウグステ
出生地:カッセル
郷里:プロイセン
現住所:フランクフルト・アム・マイン、メールフェルダー・ラント通り
生年月日:1950年5月16日
家族状況:既婚
宗教:キリスト教改革派
職業:鉄道書記官の妻
姓:D、旧姓H
名:アウグステ
出生地:カッセル
郷里:プロイセン
現住所:フランクフルト・アム・マイン、メールフェルダー・ラント通り
生年月日:1950年5月16日
家族状況:既婚
宗教:キリスト教改革派
職業:鉄道書記官の妻
病型は「動脈硬化性脳萎縮」とされていましたが、記入に際しては疑問符が付されていたといいます。
当時、アルツハイマーは、脳血管壁の肥厚など動脈硬化性の変性が老年性の脳萎縮を招き、これによって老年痴呆が起こると考えていました。
ところが、アウグステのような初老期の50歳から60歳の間に、このような変化が起こるのだろうか、という疑問を抱いていたのです。
実際、数年前に診察したアウグストと似た患者の剖検や脳組織の検査では、脳の神経細胞の委縮は明白でしたが、動脈硬化性の血管病変はごく軽度に過ぎませんでした。
harutoshura at 18:03│Comments(0)│アルツハイマー考