2017年11月
2017年11月30日
楽笑栗
ねえちゃは、これを食べてたいとか、がんばってこの料理を作ってみたい、といったことはほとんどありませんが、食卓や冷蔵庫にあるものをただむしゃむしゃ食べています。
夕食は、毎日の宅食や冷蔵庫のおかずで、ご飯を二度、三度とおかわりするのが常です。食欲だけはいっこうに衰えを見せません。
一昨日おみやげで買ってきた「赤福」も、一箱ひとりで平らげて、きょうからは「おいしそうだね。寝床へ持っていって食べようか」と有機天津甘栗「楽笑栗」の袋を開けました。
赤い袋には「モンド・セレクション金賞受賞」とあります。「これ、むきやすいように皮が割れている。おいしいものが食べれて、幸せ、幸せ」と、けっこうご機嫌です。
2017年11月29日
2017年11月28日
2017年11月27日
コープデリ
きょうは、生協の宅配サービス(コープデリ)の日です。夕方「生協とどいた」と電話でねえちゃに聞くと、いつものように「そんなの来てない」といいます。
台所を探してもらうと、いつもの青い箱はあるといいます。毎日と届けてくれているワタミの宅食のコールドボックスです。
冷蔵庫をのぞいてみると、おかずやミカンなど生協から来たものがいっぱい詰まっていることがわかって、いつものように「ごめん、ごめん」とくりかえしています。
コープデリは、東京、埼玉、千葉、茨城、栃木、長野、群馬、新潟の8都県で利用できるそうですが、私はいま東京とねえちゃの居る長野の両方で利用しています。
メニューのほとんどは共通していますが、信州そばや特選のもやしなど地域ならではの食品もあるようです。
2017年11月26日
2017年11月25日
転居は一大事
半年で14回保護された認知症の母親が、外出を止めた息子の暴行で死亡するという事件が愛知県で起こりました。
60歳の息子が、母親の外出を止めようとしたが言うことを聞かなかったため、左下半身を足蹴りにした後、左側頭部を平手打ちするなどの暴行を加えた疑いがもたらているそうです。
86歳になる認知症の母親は、外に出て歩きまわり、この半年間で警察に14回も保護され、事件が起きた今月12日も外出しようとしていたそうです。
週刊誌によると、「うちに帰りたい」と近所の人たちに何度も話していたそうです。今年転居する前までずっと住んでいた「うち」に帰りたくて、外へ出たけれど途中で分からなって保護されることになっていたことが考えられるそうです。
認知症の人は、生活環境が変わると不安で不安でしょうがなくなるとか。だから当人にとって「転居」は、一大事なのだそうです。
2017年11月24日
「いま、帰った」
「いま、帰った」と、きょうの昼過ぎ、ねえちゃからけっこう明るい声で電話がありました。
「だれが帰ったの?」と聞くと、埼玉県に住んでいる姪の名前をあげます。
「え~、いつ来たの?」と尋ねると「ひと晩泊っていった」といいます。「え~!」。昨晩は近所の人に花火に連れて行ってもらっていったはずで、お客さんが来たなんて言ってませんでした。
日記には、なんと、私と花火に行ったと書いてあるといいます。「え~!」。きのうは私は東京にいたので、いっしょに行けるはずはありません。
再度聞き直すと、姪はきょう来たかもしれないが、息子ふたりを連れて来て、ひじきの煮つけなどおかずをいろいろ作ってきてくれたといいます。
3人で来たのなら湯呑茶碗もたくさん使っただろうし、いただきものがあれば、冷蔵庫かどこかにに入っているはず。
でも、それらしき、が見当たらないので、ねえちゃは何が何だったのか、だんだん自信がなくなってきたようです。
でも、それらしき、が見当たらないので、ねえちゃは何が何だったのか、だんだん自信がなくなってきたようです。
現実と夢、昔のことと最近のことなど、頭の中でごちゃまぜになって収拾がつかなくなっているのでしょうか。最近では、こういうのがごく当たり前になりつつあります。
2017年11月23日
冬の花火
きょうの夕方、「花火に連れていってもらうことになったから出かける」と、電話がありました。
犀川べりで行われる、有名な「長野えびす講煙火大会」です。明治32(1899)年に始まり、今年はなんと第112回。
長野の煙火は江戸時代から盛んだったそうです。権堂の遊女屋が、遊客を誘うために煙火大会を催し、これが当たって近隣からたくさんの見物人が押しかけたそうです。
大正5(1916)年には、日本で最初の二尺玉を打上げて世間をアッと言わせ、昭和3(1928)年の30周年記念には、二尺玉七発をはじめ大玉早打ちが話題をまいたとか。
「冬の花火」の気分といったところか、最近のねえちゃは比較的安定した心もようでいるようです。
2017年11月22日
2017年11月21日
2017年11月20日
らくらくホン
きょうは生協の食料品が届く日です。「生協とどいた?」と電話をしても、ねえちゃはいつものように「え~?」。冷蔵庫を確かめてみると、届いたものをもう自分で収納済みだったようです。
いざというときのため、昔みたいに使えるようになるようにと、最近は極力「携帯」に電話をすることしていますが、ねえちゃはまだなかなかうまくいきません。
固定電話だと受話器を取ればしゃべれますが、携帯だとボタンを押さなければしゃべれません。「らくらくホン」だと電話がかかって来たとき点灯しているボタンを押せば、いいだけなのですが、それすらなかなかうまくいかないのです。
「らくらくスマートフォン」に替えると「シニアはじめてスマホ割」といった特典もあるそうですが、とてもスマホどころではありません。
2017年11月19日
茶菓子
「何か、かわったことあった」と夕方ねえちゃに電話を掛けてみると、「いとこが二人来た」といいます。
このあいだ別の親戚とねえちゃが電話していたときに「二人が行くかもしれない」「それはうれしい。楽しみだ」と喜んでいるのを、傍らで耳にしました。
が、いつものようにねえちゃ自身はすぐに忘れてしまっています。「いとこ二人がわざわざ来てくれるなら、お茶菓子ぐらいは」と、この間、近くのスーパーへねえちゃと買いに行ってきたのでした。
「買ってきたお菓子、ちゃんと出した」と聞くと、「覚えてない。だけど、お菓子を何か持たせたような気がする」といいます。
まあ、何らかのかたちで買ってきておいた茶菓子が、役に立った模様ではあります。
まあ、何らかのかたちで買ってきておいた茶菓子が、役に立った模様ではあります。
2017年11月18日
施錠
きょうは、デイサービスの日です。センターに行っている間に、私は東京へ帰らなければならなかったので、ちゃんとカギを持って行ってもらわなくてはなりません。
ねえちゃが朝、カギを家に置いたまま出てしまうと、私が昼にカギをかけて東京へ帰ってしまうとセンターから帰って来ても入れなくなってしまうからです。
カギを忘れるだけでなく、玄関のカギ穴にカギを突っ込んだまま出かけてしまったりする“事件”が起ることもたまにあります。
何回も念を押したのがみのったのか、きょうは玄関のカギをかけ、鈴の付いたカギの音をひびかせながら出かけました。
そして、いつものようにデイサービスでやったことはすっかり忘れていましたが、気分よく帰って来たようです。
ねえちゃが朝、カギを家に置いたまま出てしまうと、私が昼にカギをかけて東京へ帰ってしまうとセンターから帰って来ても入れなくなってしまうからです。
カギを忘れるだけでなく、玄関のカギ穴にカギを突っ込んだまま出かけてしまったりする“事件”が起ることもたまにあります。
何回も念を押したのがみのったのか、きょうは玄関のカギをかけ、鈴の付いたカギの音をひびかせながら出かけました。
そして、いつものようにデイサービスでやったことはすっかり忘れていましたが、気分よく帰って来たようです。
2017年11月17日
2カ月ぶり
きょうの夕方、暗くなる前に、自宅近くのスーパーへ出かけました。最近のねえちゃは、一人で近所の店へ買い物に行くことも出来なくなりつつあります。
以前は毎日のように、ここのスーパーに通っていましたが、ここ2カ月以上行っていません。その間に店内がリニューアルされ、「マツヤ」だったのが「デリシア」へと店の名も完全に変更されました。
すでにもう、前の店舗の記憶が消えているので、店の中のどこがどう変わったかもまったく分かっていないようです。
お客さんが来てくれたときに出すお茶菓子を買うのと、食べるものが無くなったときなどイザというときスーパーに行って買い物ができるようにする練習でもあります。
新しい店の名前も、何とか頭の中にととどめて置いてもらいたいものです。
2017年11月16日
2017年11月15日
予防接種
きょうは、デイサービスの日です。きのう書き込んだ、インフルエンザ予防接種の予診票の入ったリュックサックをしょって出かけました。
高齢者などはインフルエンザに感染すると、肺炎を併発して重症化することがあります。それで、ねえちゃもだいたい毎年、この時期に予防接種を受けています。
センターから帰って来たので「注射した?」と聞くと、「そんなこと、しやしないよ。別に変ったことなかった」と、いいます。いつものようのように、みんな頭から消え去ってしまったようです。
どれ、と服のそでをまくって見ると、左腕の上腕部に注射したことを示す小さい絆創膏がくっ付いていました。お風呂は入ってもいいそうですが、24時間は副反応に気を配る必要があります。
2017年11月14日
2017年11月13日
携帯の練習
きのうまでは普通にできていたことが、きょうになると出来なくなるということが、認知症のねえちゃには最近よくあります。
しばらく「圏外」だった携帯電話(ガラ携)の使い方も、当然のようにまったく覚えていません。仕方がないので、電話を受けたり掛けたりする練習をなんどもしました。
「らくらくホン」なので、登録相手にボタン一つで電話をかけられるし、掛かってきたときに点滅しているボタンを押せば話せるのですが、なかなかマスターしてくれません。
いまのを使うようになってもう6年になりますが、スマホはもっと困難そうです。イザというとき携帯電話が頼り、ということもあるでしょう。さて、再び携帯が使えるようになるかどうか。
2017年11月12日
2017年11月11日
静電気
きょうはデイサービスの日。インフルエンザ予防接種の予診票をもらって帰って来ました。予診票に記入して、来週水曜日に注射です。
ねえちゃの携帯電話がつながらないので見てみると、ずっと「圏外」になったままになっています。今年の5月から通信履歴がありません。
どうしてか、料金が未払いなのか? ドコモショップのサイトの「携帯が圏外になった時の対処方法」というのを見ると、「携帯の電源を切って、バッテリー・UIMカードを外して、はめ直してみてください」とありました。
つづいて「なぜ圏外になるかというと、携帯電話に静電気がまとわりついて電波を阻害するためです。そのためバッテリーを外すことで、帯電状態が解消されます」と、理由が書いてありました。
そこで、とりあえずバッテリーを外してしばらくしてからはめ直してみると、「圏外」が消えて「アンテナ」が立ちました。画面には「メールがたくさんあります」という表示が出てきました。
2017年11月10日
子機
ねえちゃは、ふだん、寝床に置いてある固定電話の子機を使っています。
ですが、最近、電話を掛ける手順を忘れてしまうことが増えてきました。かけては切れ、かけては切れを繰り返すこともしばしばあります。
「出ない、出ない」とイライラしているときも、実際は、かけ方を忘れてしまって、ちゃんとつながっていないケースも相当ありそうです。
最近は、携帯電話もほったらかしてあって、バッテリーもちゃんとチャージされていないことが多くなってきました。
電話が出来なくなるというのは一大事です。当面は、子機を使うのをやめ、着信や送信履歴がきちんと残る親機だけを使うようにして、親機の使い方を頭にたたき込んで置く。
そういう方針で行くしかないかな。と、とりあえず、私が居るあいだは子機を取りあげて使わせないようにすることにしました。
2017年11月09日
ドア・チェーン
きょう、ねえちゃはお嫁さんに電話で起こしてもらって、朝早く、近所の奥さんに美容院へ
連れて行ってもらいました。
美容院は無事済んだようですが、夜、私が訪ねてみると、玄関はカギだけでなくチェーンもしっかりかけて、一人で勝手に夕食を済ませていました。
きょう行くことは電話で何度も言っておいたのですが、いつものように、また忘れられていたのです。
鍵だけなら開ければいいのですが、ドア・チェーンがあるとそうは行きません。ドンドンとドアをたたいてもなかなか出て来ません。
夜、ちょっと外出したときにも、チェーンを掛けて寝込まれて締め出されることがあります。
「あれこれ面倒を見るためにわざわざ東京から出向いてくるのに」と、きょうはさすがに頭に来て、チェーンそのものを取り外してしまいました。
これといって盗まれて困るものがあるでなし。本人も、致し方ないと思ったようで文句は言わず、しょげた表情をしていました。
2017年11月08日
武水別神社
きょうはデイサービスの日。「やったこと、何か一つ覚えて来た?」と聞くと「みんな忘れちまった!いつもと同じだったと思うけど」と、ねえちゃ。
しかたなくセンターからの連絡カードを読み上げさせると、きょうはみんなで千曲市の八幡神社へ行って、楽しく過ごしていた旨の連絡がありました。
「なんだ、いつもと同じじゃなくて、みんなで出かけたんじゃない。センターのバスで行ったの?」と聞くと、「歩いて行ったんだったかな」といいます。「長野市から千曲市まで歩いて行けるわけないじゃないか!」。
千曲市の八幡神社は、正式名は武水別神社(たけみずわけじんじゃ)。武水別大神のほか、誉田別命(ほんだわけのみこと)、息長足比売命(おきながたらしひめのみこと)、比売大神(ひめおおかみ)を祀っています。
武水別神社一帯は平安時代末期から石清水八幡宮の荘園となっていて、安和年間(968-970年)に石清水八幡宮から八幡神が勧請されたと伝えられます。木曾義仲が祈願したとも伝えられ、川中島の戦いの際に書かれた上杉謙信の勧請文なども残されているそうです。
こんな、きょうやったばかりの大きなイベントでさえも、頭に入る前からすっかり消え去ってしまう。いまさらながらですが、寂しい限りです。
2017年11月07日
とろろ昆布
以前、ねえちゃは毎朝みそ汁をつくるのが日課でした。ワカメや大根、油あげ、ニンジンなど、具がたっぷり入っているのが持ち味でした。
認知症が進んできた昨今では、みそ汁をはじめ、料理らしい料理はまったく作れなくなってしまいました。
最近は、手作りとそんなにかわらないフリーズドライのみそ汁が出ているので、それを台所に置いたりしているのですが、利用しようとはしません。
「お湯を入れるだけでいいんだから」といっても、使った経験がないので、それがどういうものか頭にインプットできずにいるようです。
しかたないので、とろろ昆布なら以前から食べていたし、インスタントのみそ汁と同じように簡単にできるので「これ、朝、お湯をかけて醤油を入れるだけだから」と、台所の目につきやすいところに置くようにしました。
ですが、まだ、いっこうに食べようとしてはくれません。
ですが、まだ、いっこうに食べようとしてはくれません。
2017年11月06日
2017年11月05日
エゴイスト
ねえちゃには「何を食べたい」というものは、ぜんぜんありません。ただ、肉はあまり好きではありません。
「食べたいものないの?」と聞いても、キョトンとしているだけ。最近は何を買ったらいいのか分からないのでスーパーへ入るのも怖くなって、行きたがりません。
だから、ねえちゃの1週間分の食料品を生協に注文するのは、私が独断と偏見で適当にやっています。生きるベースである「食べる」ということにも意欲がないというのは、なんともやっかいです。
それでも、食欲は旺盛そのものです。お腹がすいたと思うと、周りにおかまいなく何時でも勝手に、ご飯と冷蔵庫の惣菜、それに饅頭やらなんやらで、ムシャムシャ食事を取っています。
最近は、そろそろ夕飯にしようかと茶の間へ行っても、たいてい「もう食べちゃった」と平然としています。エゴイストそのものです。
最近は、そろそろ夕飯にしようかと茶の間へ行っても、たいてい「もう食べちゃった」と平然としています。エゴイストそのものです。
2017年11月04日
リハビリ
きょうは、デイサービスの日。雨が降ったりやんだりしていましたが、支障はなかったようです。
センターで、頭のトレーニングや平行棒、ストレッチなど、いろんなリハビリもしたようですが、いつものようにみんな記憶からは飛んでいました。
「リハビリだと思って、食べたものでも、みんなで歌った歌でも、何か一つ、頭に入れるかメモするかしたら」というのは、きょうもダメでした。
昨日、甥から聞いた、脳溢血で倒れて体が不自由になったけど、病気を治そうと懸命にリハビリにがんばっている姉さまの話も、「なんのことか」とすべて忘れてしまっています。
「敗けないでリハビリしたら」といっても、何が、どうすることが、リハビリなのか、ねえちゃの頭は、ぜんぜん“消化”できないでいるようです。
2017年11月03日
2017年11月02日
新鮮な驚き
連日報道されている神奈川県座間市のアパートで、切断された9人の遺体が見つかった事件。警視庁に逮捕された白石隆浩容疑者(27)は、今年8月下旬にアパートに引っ越してきてから9人全員を殺害したと供述しています。
連日報道される前代未聞のこの想像を絶するニュースをテレビで見るたびに、ねえちゃは「え、9人も殺したんだって。酷いね!」と、同じような言葉を、そのたびごと繰り返し口に出して驚いています。
「あれはきのうもテレビでやっていた」というように、時系列をたどりながらものごとを見たり、考えたりすることが、最近はまったく出来なくなりました。
一刻一刻が新鮮な驚きで、それが瞬間に消えていってしまいます。ただ、それがどんな出来事であるかだいたいのことはまだ分かっているようです。
2017年11月01日
化粧水
きょうはデイサービスの日。いつものようにセンターで風呂へ入ったこと以外はみんな忘れていましたが、無事に帰ってきました。
リハビリだと思ってセンターで出た食事とか、みんなと話したこととか、一つでいいから何をやったか頭に入れるかメモするかして来たら、という課題もなかなか果たすことはできません。
最近、ねえちゃは、買い物をすることもほとんどできなくなりつつあります。近くのスーパーがリニューアルオープンして1カ月以上になりますが、まだ1回も入っていません。
きのう「化粧水や乳液がなくなっちゃう。どうしよう」と困っているので、残り少なくなった青いビンを持って近くのドラックストアへ私が買いに行ってきました。