Aokijima

「認知症」と「ねえちゃ」に関する覚書です

2017年07月

きょうは、生協の宅配が届く月曜日です。受けとってもすぐに忘れてしまうねえちゃですが、最近は「とうもろこし届いた」と聞いて、台所へ見に行ってみて「あったよ」ということで、受け取りを確認しています。

長野県は、とうもろこしの生産も盛んで、全国で5番目前後の生産力があります。そんな地元「長野県産」のとうもろこしを、最近は毎回6本ずつ届けてもらうようにしています。

とうもろこしは、鮮度が急速に落ちる野菜の代表格です。収穫から2日たつと糖度が2度以上低下するのだとか。特に、畑で育っているように垂直に立てて保管するとまだいいのですが、水平に置くと急速に鮮度が劣化するそうです。

以前は、とうもろこしを買ってくるたびに「買ったらすぐ茹でないとダメなんだよね」とねえちゃ自身、諭すように言っていたのですが、最近は、それも忘れて、届いたまんま放っておくことが多くなってきました。

電話をするたびに、「とうもろこし茹でた。早く茹でて冷蔵庫に入れておくこと」と念を押すのが日課になって来ました。

次の一週間にねえちゃが必要な食事や日用品は、日曜日か月曜日に私がネットで注文しています。

まず、ワタミの宅食の注文サイトで、いつもの「おかず」のメニューの来週分を申し込み、清算の手続きをします。

その次に、生協のサイトに移って、カタログを見ながら、食べそうなものを打ち込んでいきます。

ねえちゃに「何か注文する必要なものはないの?」と聞いても、近ごろは「思いつかない」と答えるだけです。

食べそうなものを経験的に類推しながら、「スーパープライス」や「今期最安値」にも注意して、こちらで注文します。それなりに気を遣う作業です。

他に、日用品で不足があれば「アマゾン」でたいていは用が足ります。ネットのおかげで、どこにいても注文できるのは大助かりです。

「最近はぜんぜんお金を使わなくなった」とねえちゃは言うので、「現金を使わなくなっただけで、銀行からドンドン振り落とされているんだから、徘徊のついでに食べもしないもの買ってこないで」といつもクギを刺しています。

ゲリラ豪雨・雷雨が発生するあいにくの天気でしたが、東京では恒例の「隅田川花火大会」で賑わいました。

長野県でも野尻湖花火大会、国宝松本城太鼓まつりなどが開かれ、花火や夏祭りがたけなわとなって来ました。

ねえちゃは、花火大会も、北朝鮮のICBMも、稲田防衛大臣の辞職も、何も知らずに、きょうも一日寝床のなかで過ごしたようです。

「どこか調子がおかしいところあるの?」と電話で聞くと、いつものように「アタマがおかしい!」とけっこう元気そうな返事。雨だったので徘徊に出ることもできなかったそうです。

2、3年前までは毎朝つくっていた味噌汁を、最近、ねえちゃは作らなくなりました。というより、作れなくなってたのかもしれません。

味噌汁どころか、朝にちょくちょく食べていた納豆も、冷蔵庫にたくさん入ってるのに食べなくなりました。これも、食べられなくなったのかもしれません。

味噌汁は、お湯を沸かして出汁を取り、具材を入れるだけです。納豆はもっと簡単で、ネギなど刻んでのせてかき混ぜればいいだけです。

何か作ろうとお湯を沸かしても、つぎ何をすればいいのかわからなくなってしまう。簡単なことでも段取りが取れず、実行出来なくなってしまう。こうした症状を、実行機能障害というそうです。

電子レンジや風呂のスイッチ、エアコンやテレビのリモコンの押し方がわからなくなる、といったことも実行機能障害に入るとか。最近、こうした実行機能障害がねえちゃに目立ってきたな、と感じます。

アルツハイマー病の診断は、ねえちゃの場合もそうですが、日常生活で見られる記憶障害や判断能力の低下といった症状と記憶力検査、さらにはMRI画像などを参考に行われています。

できることならもう少し、脳の質的な変化を読み取っての診断ができるようになればな、という気がします。そこで、期待される画像診断法の一つに「PET(陽電子断層撮影)」があります。

PETは、陽電子を出す放射性同位元素を目印とした検査薬を投与して、陽電子が体内の電子と結合する際に出る消滅放射線をカメラで検出し、断層画像を合成します。投与した検査薬の体内分布が代謝や血流の状態を反映するため、脳細胞の活動状態を調べることができます。

アルツハイマー病の原因のひとつに脳神経細胞の老廃物である「βアミロイド」の蓄積があげられています。PETでβアミロイドの蓄積の様子を画像化することで、より機能的な診断が期待されます。

米国では、いま、何万人規模の大規模なPETによる「βアミロイド」画像検査の研究プロジェクトが進められているとか。アルツハイマー診断の新時代が訪れるかもしれません。

きょうはデイサービスの日。このあいだのように駄々をこねることなく、ねえちゃは無事に行ってきました。

ねえちゃの気分は、すぐに変わります。「からだの調子が悪くて、とてもじゃないけど動けない」と言っていたかとおもうと、次の瞬間はスタスタ出かけてしまうことはしょっちゅうです。

さっきまで「今夜は風呂に入りたくない」と言っていたのに、「風呂だけが楽しみと言ってたじゃない」と促すと、しぶしぶスイッチをいれます。

「お風呂が沸きました」のアナウンスが鳴ると、「入りたくない」といっていたことなどすっかり忘れてささっと風呂へ入って、「ああ気持ちよかった」とニコニコしています。

別に異常はないのに、からだがおかしくて何も出来ないような気になってしまう。それは一体なんなのかあいかわらず不思議で仕方ありません。

ねえちゃの家の近くの水田のイネも、青々と生長して来ました。ここ2、3日、長野は雨模様です。

オタマジャクシから変態したばかりと見られる、2センチに見たない小さなアマガエルが、水田の畔のあたりからピョコピョコ飛び出して来ます。

雨粒がこびり付いた家の庭の草木からも、ピョコピョコ。家の中まで入り込んで来た、子ガエルもいます。

「かわい~いね」。ねえちゃは、子ガエルを手に乗っけたりして、ニヤニヤなにかを話しかけたりしています。

「松商が勝ったよ」。珍しく、ねえちゃがテレビを観ながら喜んでいます。

第99回全国高校野球選手権長野大会の決勝。松商学園が佐久長聖との接戦を5―4で制し、9年ぶり36回目の甲子園出場を決めました。

36回目の出場というのは、きのう3年連続38回目の出場を決めた北海道の北海学園に次いで全国2番目の多さです。

松商の夏の甲子園での成績は、25勝34敗、優勝1回、準優勝1回です。優勝したのは90年近く前の1928年の第14回大会でした。このときのエースが、巨人などで活躍しプロ野球史上初の三冠王となった中島治康です。

信州人にはむかしから馴染み深い松商のユニフォーム。久々の甲子園で、その存在感をさわやかなプレーで示してもらいたいものです。

きのうから、きょうへ、あるいは、さっきから、いまへ、連続的に記憶が維持しているので生活は成り立っていきます。

ですが、ねえちゃには、そうした生活の連続がありません。

さっきまで「何もしないのにおいしいものが食べれて幸せ」といっていたら、次の瞬間には「ああ、バカになっちゃって死んだほうがまし」とイライラしています。

昼食を食べながらBSで「幕下」の相撲を観ていると、「え、こんなに早い時間から中継しているの?」と毎日、同じように驚きます。

「“ねえさま”も観てるだろうから、千秋楽くらい大相撲観戦をしたら」と提案すると、「そうだね」とうなずきます。が、すぐにテレビを消して、布団にもぐり込みます。

ねえちゃには「千秋楽」もなにもないのです。

埼玉に住んでいるねえちゃのめいから、きょう、お中元が届きました。毎年送ってくれている前田屋の高級な味付け海苔です。

朝、ごはんに包んで食べたり、細かく切ってざるそばにかけたり、おいしくいただいています。

ですが、ねえちゃのいつもの「困った」がはじまりました。お礼の電話をかけたかどうかどうかが不安でたまらなくなったのです。

贈答品があったとき、お礼の電話を三度も四度もかけて迷惑をかけることがしばしばあります。

「だから、すぐにメモをしておかなきゃダメだって言ってるでしょ!」

電話の通話記録などからすると電話はすでにかけているようです。

でも、この様子だとまた何度もかけることが必至なので、ねえちゃがいつも使っている固定電話の子機をきょういっぱい取り上げることにしました。

あいかわらず、私が家に居るときでも、ねえちゃは自分をコントロールすることができず、早々と勝手に一人で夕食を食べてしまいます。

そのたびに「頭をぶん殴って欲しい」というのですが、「頭を殴って良くなるなるくらいなら、わざわざお医者さんに通って薬をもらってくる必要はないでしょ」と同じような返事をします。

満腹中枢がおかしくなって、いつも食べてないといられなくなっている。というようなところまでは、お医者さんに聞いても行ってはいないようですが……。

食欲はすこぶる旺盛で、すぐに食べられる冷蔵庫の中の出来合いのお惣菜は、飽きることなく次々になくなっていきます。

サケ、サンマ、サバ、シシャモ、エビなどほかにもいろいろ冷蔵庫に入っているのですが、焼くなど少しでも調理しなければならないようなものには手を付けてくれません。

8月は、被保険者証(保険証)定期更新の月です。「新しい保険証届いた?」と聞いても、ねえちゃは何のことだかよくわからないようです。

「それじゃ、最近来た手紙を全部出して」といって探してみると、長野県後期高齢者医療広域連合からの封書が出てきました。

封はすでに切られていて、中からは、ぺろんとカードが剝がされた跡がある書類が出て来ました。

封書を受取って無意識にすでに、自分で新しい後期高齢者保険証を剥がして財布の中に入れていたのでした。

いま使っている桃色の保険証は、今月31日まで。今度、お医者さんへ行くときは、新しい橙色の保険証を持って行くことになりそうです。

先週は、駄々をこねてデイサービスセンターへ行くのを拒んでいたねえちゃですが、きょうは無事に出かけて、「大きいお風呂で気持ち良かった」と御機嫌で帰って来ました。

行きたくなくなるというのは、デイサービスで何か嫌なことがあるわけではなく、ねえちゃの気分、ないし頭のコンディションの問題のようです。

「梅雨明け」が宣言されて、気分も一新してくれたのならいいのですが。

きょうは、期待の御嶽海が白鵬を破りました。白鵬にとっては今場所、初黒星。おまけに史上1位となる通算1047勝到達を阻止する、という殊勲の星です。

御嶽海は、これで8勝3敗と勝ち越し。大関を目指してドンドン勝ち星を連ねていってもらいたいものだと思います。

東京ではいきなり大粒の雹が降って「窓ガラス割れた」「洗濯ハンガーが粉々になった」といった被害も出てたいへんでしたが、長野のねえちゃのところは大丈夫だったようです。

「生涯現役」の医師、日野原重明さんが、きょうの朝、呼吸不全で亡くなりました。105歳だったそうです。ご冥福を祈ります。

「あの先生、100歳すぎてもやってるんだ。すごいね」と、ねえちゃもずっと尊敬してきました。

日野原さんは、ねえちゃより25歳上です。いまのねえちゃの年のころは、聖路加国際病院の病院長として、地下鉄サリン事件の被害者の治療などでも活躍されていたことになります。

そう考えれば、まだ、まだ、がんばらないと。とりあえず、あすは、先週行かないと駄々をこねて周りを困らせたデイサービスの日。無事、行ってもらいたいものです。

祝日でも、きょう月曜日は生協の日。いつものように注文しておいた食品が届いたかどうか、ねえちゃの記憶からは消えていますが、「5本注文しておいたトウモロコシ、そのへんにある?」と聞くと「ある」というので、受けとってはいるようです。

料理らしい料理ができなくなってきているので最近、注文するおかずは、「筑前煮」「真だこときゅうりの酢の物」「緑野菜の胡麻和え」「黒豆」など、出来合いのお惣菜が主です。

秋刀魚、サバ、シシャモなどの魚も注文して常時、冷凍庫に入れてあるのですが、私が行ったとき以外、調理することはほとんど出来なくなってしまいました。いまが旬のトウモロコシだけは、自分で茹でてむしゃむしゃ食べています。

「生きて腸まで届く、Lカゼイ菌使用」という乳酸ドリンク2パック20本と、生協牛乳1パックは毎週届くように登録してあります。乳酸ドリンクのほうはちょくちょく飲んでいますが、牛乳のほうはあまり飲みたがりません。

以前、ねえちゃは睡眠導入剤を処方してもらっていましたが、最近はほとんど飲むことがなくなっています。

最近の研究で、アルツハイマーの発症の一因とされるアミロイドβ(老人斑)が脳内に蓄積する兆候がある人は、睡眠時間が短く、昼寝を必要とする傾向があることがわかったそうです。

ねえちゃはいま、1日のほとんどを寝室で過ごしています。ふだんは昼間もかなりの時間眠っていますが、だからといって夜眠れずに困るということもないようです。

夜はかなり頻繁にトイレに起きますが、暗い部屋を幽霊のように起きてきてトイレを終えれば、またすぐにぐっすり寝込みます。朝5時ごろには起きて洗濯をして、また寝ます。

むしろ日常生活の大半が睡眠のなかにあって、それらのあい間あい間に何かがやってきて、いつなのか、何なのか、どうしなくてはならないか、なにがなんだか分からなくてパニくっている。そんな状態にあるのかもしれません。

京都や大阪などで起きた青酸連続殺人事件で、男性4人に対する殺人罪などに問われた筧千佐子被告(70)の裁判が今週、京都地裁でありました。

捜査段階で筧被告の精神鑑定を行った医師への証人尋問で、鑑定医は「犯行時に精神疾患はなかった」と証言したそうです。

弁護側は、筧被告は認知症で責任能力はないとして無罪を主張しています。

鑑定医は、逮捕後に被告がアルツハイマー型認知症を発症していたものの、自分が置かれている立場や裁判の手続きが始まっていることを理解していたなどと、訴訟能力に問題はないとしました。

また、交際男性らの死亡後、忘れずに遺産の相続手続きをしたり、借金を返したりしていることから、事件があった時期は認知症を発症していなかったと推測し、「アルツハイマー症状が影響を与えていることはない」と証言しました。

ねえちゃを見ても思いますが、アルツハイマーが進んでくれば、交際相手の「遺産の相続手続き」どころか、お金になるとかもうかるとか、そんな算段ができるはずはありません。

ある程度は科学的に細かく診断できるようになってきていたとはいえ、弁護士が「認知症」を「責任能力」に絡めて罪の軽減のため安易に持ち出すのには、大いに反感を覚えます。

きょうは、札幌にいるお嫁さんのお母さんから励ましの電話をもらったり、甥が訪ねてくれたりで、ねえちゃの声にはいつになくハリがありました。

甥のお母さんは、ねえちゃの11歳年上の姉です。「姉さまは変わりはないようだって?」と聞くと、「それどころか、こっちのほうがずっとおかしくなっちまって」とねえちゃ。

きのうの夜に降った強い雨の影響で、長野市内でも土砂崩れが何か所かで起こり、土砂が民家近くまで押し寄せたり、軽乗用車が押し出されたりしたところもあったそうです。

連休中も天気は不安定で、高気圧に覆われて高温が予想される一方で湿った空気の影響を受け、雷を伴った激しい雨の降るところもあるそうです。

ねえちゃに連休の予定は特にありません。徘徊して熱中症で倒れるようなことがないように、極力家を出ない。それが課題です。

きのうは、体の具合が悪いから外出できないといってダダをこねていたねえちゃですが、きょうは朝早くちゃんと着替えて、銀行へ行って来たといます。

最近はほとんどが銀行引き落としで、現金のやり取りはほとんどありません。当分必要なお金はおろして来て、十分にあるはずです。

ただ、ねえちゃが預金している八十二銀行では2カ月に一度の年金支給月に、“特別プレゼント”をくれるので、それに行ったのかもしれません。

「年金の関係で何かプレゼントくれたの?」と聞いても、「よくわからない」と言っています。

銀行からおろしてきても、別にお金が無くなるわけではないのですが、最近は家に現金を幾らおいているかの見当がつかなくなっています。

それから、きのうもあったように「カギがどっかへいっちゃった」というのは日常茶飯事。認知症の症状に応じた貴重品の管理が直近の課題になっています。

きょうは、デイサービスの日。ねえちゃは、朝、5時から洗濯をして、干して、行く気になっていたはずなのですが、センターのかたが迎えに来てくれても、頑なに「体の具合が悪いから行けない」と拒絶したようです。しばしば起こる「登校拒否」です。

心配して女性の担当者が家まで来てくれても、「登校拒否」は頑なに続きました。体の具合が悪ければセンターのお医者さんに診てもらえばいいんだからと、いつものように言っても埒が明きません。

ところが、ちょっと間を置いてもう一度、「とにかく服を着たら」と説得してみると、拒絶していたことも体がおかしいと思っていたこともすっかり頭から吹き飛んでしまったのか、ケロッとして、服に着替えます。体の調子が悪い気配もぜんぜんありません。

きょう3度目の迎えに来てもらって、2時間半遅れで、なんとかセンターへ行くことができました。午後4時過ぎに帰って来たので無事済んだのかな、と思っているとセンターのかたから「家のカギ、あったようですか?」と電話がありました。

「ええっ」。どうも、帰りがけに「家のカギをどこかへやってしまった」とまた一騒ぎしたようです。ねえちゃに尋ねてみると、カギがないと騒いだこと自体をもう忘れていて、台所のいつものところに掛かっているカギをじゃらじゃら鳴らしています。

また、たいへんなお騒がせをしてしまいました。センターのみなさま、ご迷惑、ご心配をおかけして申しわけありません。

近所の奥さんの車に乗っけてもらって、きょうの午前中、ねえちゃは美容院へ行ってきました。

昼前に帰って来ましたが、「どこへ行ってきたの?」と聞くと、「どこかへ行ったんだっけ。お医者さんだったっけ」。

いつもの調子で、すぐに忘れてそんなことを言ってましたが、髪に手をやるように仕向けると、やっと美容院へ行ったことに気づきました。

「美容師さんにはどんなふうにしてくれと言ってやってもらったの?」と聞くと、「いつものように、少しカットしてもらってって」。「何か話した?」。「忘れちゃった」。

きょうも長野は暑い一日でしたが、午後5時を過ぎたあたりからザーと大雨が降って一気に涼しくなりました。気象台から大雨・洪水警報が出ました。

高気圧に覆われてぐんぐん気温があがり、きょうは長野も、35度をこえる猛暑日となりました。長野地方気象台からは、高温注意情報が出されました。

高温注意情報は確か、福島第一原発事故の影響による電力不足に備えるため、過度な節電をして熱中症になる人が増えるのが懸念されて6年前に導入されたものだった、と思います。

リビングのテーブルの上に、「外へは出ない」と大きな字で書いた紙を貼り付けました。そして朝、ねえちゃに「熱中症になるから絶対に外へ出ないこと」と念を押しました。

ねえちゃは、冷房が嫌いというわけではないようですが、冷房があることを忘れているのか、自分からスイッチを入れることはあまりしません。

若いときに比べて体温がかなり低くなっているので、35度というのはねえちゃの平均的な体温と同じです。

「きょうは気温が、おばあさんの体温を超えるくらいにまでなったんだよ」というと、少しはハッとするところがあったようで、きょうは徘徊の気配はありませんでした。

きょうから大相撲名古屋場所が、はじまりました。早い時間帯から会場は埋まり、あいかわらずの相撲人気のようです。

1958年に本場所に昇格した名古屋場所は、今年60年の節目を迎えました。60年前の優勝第1号は、若乃花(初代)でした。

当時は冷房設備はなく、館内は蒸し風呂のような状態で、あちこちに氷柱が置かれていたそうです。

いまではテレビで、BSなどで、幕下以下の取り組みもふつうに観られるようになりました。

「いよいよ名古屋場所。テレビ観戦したら」といっても、ねえちゃは、いつのもように一日パジャマでふとんの中です。

期待の新関脇御嶽海は会心の相撲で、横綱稀勢の里を寄り切りました。でも、ねえちゃは自分の爪を切ることのほうが気になっています。何かするという気力がぜんぜんわいて来ないようです。

きょうは、長野も35度近くまで気温があがりました。いよいよ熱中症が心配される時節になりました。

周辺が暑くなって体から水分が奪われて体温があがり、臓器の働きに異常をきたすのが熱中症。

めまい、失神、頭痛、吐き気、強い眠気、異常な発汗あるいは汗が出なくなるなどの症状があります。

25℃あたりから患者が発生して段階的に増えてゆき、31度を超えると患者が急増するそうです。

ねえちゃは、いつものように朝からパジャマのまんま。「徘徊すると熱中症だから週末は家を出るな!」というと、それなりには自覚はあるようです。

きのうの夜、同じデイサービスに通っている男の人が、ワラビを採りにいかないか、と誘いに来たようですが、「断った」と言っていました。

きょうの午後、介護申請の変更のための調査員の女性が家にいらっしゃいました。

この前と同じように、最近の様子をいろんな項目に分けてチェックしていきました。

アルツハイマー病の薬も1種類から2種類に増えて、ねえちゃが自分だけでやれることも少なくなってきました。それにつれて私のほうの負担もだんだん増えてきています。

とりあえず、デイサービスの回数を増やすこと。それから、食事や家事の手助けなどに外部の人に少しずつ関与してもらうようにしていくようにしていくことが課題となります。

申請をしてからスピーディーな対応は、助かります。

きょうは、天気が良くて、風もあり、暑さもそんなに感じなかったので、午後、ねえちゃを連れていつもの脳神経外科に出かけました。

血圧の薬にくわえ、アリセプトとメマリーというアルツハイマーの薬2種類を4週間分処方してもらいました。現段階ではめいっぱいの対処してもらっているな、と思います。

介護の変更申請をしていたので、いろいろ検査もしてもらいました。検査のレベルでは「現状維持といった状況」のようです。

お医者さんまで歩きで30分弱かかりますが、相変わらずせっせと歩いて、足腰の衰えはとくに感じられません。

ただ、食事や着替えなど、自分でやれることがだんだん限られてきて、とても一人で生きられる状態ではなくなってきているなと感じます。「頭がおかしくて、どうにもならない」と訴えることが多くなって来ました。

そして、「忘れる」というレベルを超えて、記憶そのものの機能が欠落しつつあります。お医者から帰ってまだ1時間もたっていないのに「しまった。きょう、お医者へ行くの忘れちゃった。どうしよう」と血相を変えています。

一週間余りぶりにねえちゃの家に行くと、額に入った記念写真がリビングに飾ってありました。よく見ると「第26回マレットゴルフ大会」という記載があり、後ろの列にねえちゃの姿も写っています。

「これ何。デイサービスセンターでやったの?」と聞いても、返事は要領を得ません。が、あれこれ聞くと、どうもデイセンター関係で行われた大会に“応援参加”したようです。

マレット(木づち)ゴルフというのは、T字型のスティックと直径7.5センチのボールを使って、ゴルフのように少ない打数でカップインさせることを競うスポーツ。当初はゲートボールのスティックやボールでプレイされていて、ゲートが途中に置かれることもあるそうです。

1977年に福井県で誕生しましたが、現在もっとも盛んにプレイされているのは長野県だとか。老若男女たくさんのプレーヤーがいて、河川敷や里山などを利用してマレットゴルフ場の整備も進められているそうです。知りませんでした。

台風3号が、すごいスピードで、日本列島を通って行きました。7月としては、2年ぶりの上陸です。

ねえちゃはむかしから、気圧の変化に敏感です。台風や低気圧が近づいてくると、頭が痛くなったり、体調を崩したりすることがよくあります。

そんな台風の影響もあってか、「頭がへんでおかしい」ときのうから今日にかけて何度も東京へ電話をして来ました。

でも、特に異変が起こったというわけでもなさそうです。ただ「バカになってずっと、寝てばかりいる。だれも外を歩いてない」と不安だといいます。

「バカになったのはいまに始まったわけじゃないでしょ。それに台風が来てるんだから、外をうろうろしている人なんているはずないでしょ」というと、少し思い直したようです。

お医者さんからは、めいっぱいの薬を処方してもらっています。介護の再申請をして、7日には調査員の人が来ます。一歩一歩やれることはやっているのですが。

私が高血圧の治療などに通っている東京の内科のお医者さんのところで、「なにがなんだかわからなくなっちゃって」とさかんに話している高齢の女性を見かけました。

どうも、連れて来てもらったヘルパーさんに、寝て起きたときそれが朝なのか、夜なのか、自分は何なのか分からなくなって困惑している様子を訴えているようです。

ねえちゃも「なにがなんだかわからなくなっちゃって」と、この女性とまったく同じフレーズを口癖のように繰り返して言います。

認知症の同じような症状に、同じような困惑を覚えているのかな、という気がしました。

月曜日のきょうはねえちゃの家に生協の配達が届く日です。今回からネット注文です。

いつもなら、生協の担当者の人が来たかどうかなんて受けとった瞬間に忘れてしまうのですが、きょうはどうしたことか「生協からいろいろ来たよ」と電話で知らせて来ました。

「冷蔵庫へちゃんと入れた? 暑くなってきたから、必要なものはちゃんと入れとかないとすぐ腐っちゃうよ」というと、自信はあるようでした。

最近、ねえちゃの食生活の多くは、月曜日に生協から届く食料品によっています。

ねえちゃは、カタログを読むことも、注文票を書くこともできないので、私が毎週記入していました。

けれど東京から長野へ行って、週に一度、注文票に書き込むのは、忙しいときなどなかなか大変です。

認知症が進んで、ねえちゃは注文票を渡すことも難しくなりつつあります。それで今回からネットでの注文に切り替えました。

商品の番号を打ち込めば、商品名がどんどん表示されるし、つぎつぎに合計金額が計算されます。注文メモもクリック一つでメールしてくれます。

こんなんだったら、もっと前からやっていれば良かったと後悔しています。

いずれにしても、いろんな工夫をしてこちらの負担を少しでも減らしていく努力が必要なときになっているな、と感じます。

長野県内のきょうは、梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで広い範囲で激しい雨が降り、土砂警戒情報も各地で出ました。

ですから雨に閉じ込められて、さすがにねえちゃも「知らない間にちょっと徘徊してスーパーへ寄って」というわけにもいかなかったようです。そういう意味では、恵みの雨です。

ねえちゃは、スーパーというところは、あれやこれやいろいろ買わないといけないところだと思っているようです。

「トウモロコシが食べたければトウモロコシだけ買っても、誰も文句は言わないから」といっても、けっきょくあれこれ不要なものを買ってきてしまいます。

今週は、生協の食品が来なかったのでちょっと心配でしたが、週の初めに私が買いだめして冷蔵庫に入れておいたものだけで、何とかもちそうです。

「冷蔵庫をゴソゴソ探せばいろいろ入ってるはず。それで明日を乗り切れば月曜日には生協からたくさん届くから」と電話でいうと、理解したのかどうかは分かりませんが、ねえちゃは明るい声で了解していました。

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