Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

2017年01月

漬け物

夕食になって、ねえちゃは「漬け物ないかな」と思い出したように言って、冷蔵庫や物置を探し出しました。

どうも、むかし漬けたのが、どこかにたくさんあるような気がしたようです。でも実際には、最近はもう、漬けるノウハウもすっかり忘れてしまっています。

唯一、親せきから昨年もらったウメを漬けてありますが、ねえちゃはご飯などとウメを食べるのはあまり好きでありません。

日本では天平年間(729~749)の木簡に、すでにウリや青菜などの塩漬けのことが記載されているそうです。その後、奈良時代に入ると大陸から酒や味噌などの調味料が醸造されるようになり、漬け物も多彩になっていきます。 

江戸時代には糠漬けも登場し、「香の物屋」という専門の店も生まれて、いよいよ庶民に浸透してきました。田舎に育ったねえちゃも、子どものころから食事には漬け物が無くてはならないものだったのです。 

なにはともあれ、自分から何かを食べたいと言い出したことは喜ばしいこと。ダイコンやキュウリ、ハクサイなどの漬け物を、生協に注文することにしました。
 

パジャマ

ずいぶんと温かくなったきょうは、未明から屋根の雪が溶けて落ちる音がしばしば聞かれました。

30日正午までの最低気温は、長野県内30観測地点で氷点下だったのは4地点だけ。長野も1.2度と珍しく氷点下にならず、雪ではなく雨になりました。

ねえちゃは雪かきをする必要もなかったので、「きょうは、あったかいね」と、いつものように一日中、パシャマのまんま。

宅急便、宅食、生協の配達とつづいて来ましたが、最近では当たり前のパジャマ姿での応対です。

パジャマというのは、ヒンディー語・ウルドゥー語の「パージャーマー」が語源で、本来は民族服のズボンのことを言っていたそうです。

それを、インドに駐留していたイギリス人が寝巻として使って、世界中に広まったのだとか。元来の意味からすれば、パジャマは寝るときだけ、でなくてもいいことになります。

空き家

たまにぶらっと散歩で外に出たときねえちゃは、自分たちと同じ30年前頃に建った家で、空き家になっているところが一軒、二軒と増えているのが気になって仕方がないそうです。

介護施設へ入ることになったのか、子どものところにでも同居するようになったのか。家から出て行っても、新しい入居者が来る様子がないのが気がかりだといいます。

少子化を背景に、この2、3年、全国的に空き家問題がいっきに顕在化してきています。亡くなったり施設に入ったりした後、家を継ぐ人が居なくなってきているのです。

売るにも売れない、貸す相手もなかなか見つからない。そのまま放っておけば、固定資産税がかかるうえに維持管理費もかかるのでマイナスでしかない。

「気を遣ってばかりの官舎のときとか考えると、いまの自分の家がいちばんいい」とねえちゃはいいます。

空き家問題は、ねえちゃだけでなく、周辺の私たちにとっても差し迫った問題になりつつあります。

クリアケースとノリ

デイサービスセンターとの連絡カードを入れるA5版のクリアケースを、ねえちゃはどこかへやってしまったまま、依然として見つかりません。

しかたがないので、きょう、近くのホームセンターへ買いに行ってきました。

ついでに、最近、ないないと騒いでいるセロテープと、領収書などをノートに張り付けるためのノリ(水溶性のでんぷんノリ)も買いました。

ノリは、口紅タイプのやスポンジトップ式のアラピックヤマトなどいろいろ試してみましたが、どれも使わずにどこかへやってしまいます。

唯一、むかし小学校のときに使った、柔らかいチューブに入ったでんぷんノリだけは、手元に置いています。

子どもの時から使い慣れているのか、ねえちゃにとってノリといえば、このでんぷんノリなのでしょう。

クリア・ケースには、名前を記入するところがあったので、「いざ自分の名前を書くというと、間違えないか緊張するね」といいながら、そこにマジックで書き入れました。
 

伊勢えびラーメン

リンゴ、野沢菜、海苔、干し柿など、ねえちゃのところにはおかげさまで、いろんな差し入れや貰い物があります。

ですが、ねえちゃは誰からいただいたのか、片っぱしから忘れていきます。なので、誰にどうお礼を言ったらいいか分からずに困ってしまうことがたびたびです。

きょう、ねえちゃの冷蔵庫を覗いてみると、派手なパッケージの見慣れない「伊勢えびラーメン」なるものが入っています。

香り良く、コクの濃厚なスープによく合うコシが自慢の熟成麺を使ったおいしい伊勢えびラーメン。濃厚なスープが決め手、伊勢海老の味を家庭で簡単に楽しむことができます。 

などと、説明があります。「なんかおいしそうだけど、誰からもらったの?」と、聞いても、いつものように「忘れちゃった」というだけです。

「忘れるのは決まってるんだから、もらったらすぐにメモしなきゃ」と、いっても、それも詮無いことです。

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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