Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する記録です

2016年12月

市田柿

ねえちゃが、おいの家のお嫁さんの実家に注文していた干し柿が届きました。

市田柿の名は、長野県下伊那郡の旧市田村で盛んに栽培されていたことに由来します。飯田・下伊那地方の優良系統を選んで栽培し、商品化が進められてきた、日本最大の生産量を誇る干し柿です。

比較的小ぶりなのが特徴といわれていますが、幅広の紡錘形をしていて、食べごたえがありそうです。

市田地方で柿の栽培が始まったのは、江戸時代、伊勢神宮参拝で柿栽培が盛んだった美濃からもたらされのがきっかけという説が有力だそうです。

当時は焼柿とよばれ、囲炉裏端で焼いて渋を抜いて食べられていたようですが、しだいに家の軒先などに吊るして乾燥させるようになりました。

飯田・下伊那地方では、元旦に食べた干し柿から出てきた種の数が多いほど、たくさんのお金を蓄えることができる、という言い伝えがあるとか。さて、来年はどうでしょう。

ねえちゃは、おいの関係ではなく、めいから送られてきたと勘違いしてしまうというちょっとしたアクシデントはありましたが、料金の振り込みも終了。さっそく頬張りはじめました。
 

投函

最終的にねえちゃは、親戚や友人あての、パソコンで印刷した16枚の年賀はがきを、きのうポストに無事投函しました。

投函した年賀状のあて先は、日ごろメモをしたり領収書を貼りつけたりしている大学ノートに書き込みました。

20枚買っておいたので、残りは4枚。うち1枚は、喪中のお知らせが来ているのを忘れていて印刷してしまったので余りは3枚です。

出していない人から送られて来た場合に備えて、3枚では心もとないので予備に、ねえちゃが気に入ったイラストの入った5枚入りの年賀はがきセットをスーパーで買ってきました。

「元日になったら、ノートと照合して、送っていない人の宛先を書いてポストに投函すればいいから」と話してはおきましたが、いまのねえちゃには、誰かの手助けがないと到底できない作業です。
 

さっさとクリスマス

入れ歯が外れやすくて具合が悪くなった、とねえちゃがいうので、予約を取ってかかりつけの歯医者さんへ連れて行きました。しばしば、予約しては直前キャンセルを繰り返しているところです。

予約した時間通り、すぐに入れ歯の調整から歯垢落としまでていねいにやってくれたのですが、診療が終わってから清算までに多少時間がかかりました。

気にするほどの時間ではないと思うのですが、「いつまで待たされるんだろう」「何やってるんだろう」とブツブツ。ねえちゃは気が気ではありません。以前の忍耐強いねえちゃからは、考えられないことです。

「これといってやらなければならないことがあるわけじゃないのに、何をそんなに急いでいるの」と聞いても、わけのわからないことを言っています。

世の中クリスマスだから、とスーパーへ寄って、チキンやエビやらちょっぴりいつもと違うものを買っ帰っても、そんなことはトンと意に介さず、ねえちゃは冷蔵庫の中からあり合わせを取り出して、いつもの夕食です。

私がテレビを見ているあいだに、さっさと片付けて午後7時前にはもうパジャマに着替えています。「バカになっちゃった」と気にし出すと、頭の中がいつも切羽詰まったような状況に追い込まれてしまうのでしょうか。

認知症が進むにつれて、「のんびり構えてドンと生きてけばいいじゃない」といった余裕が、どんどんなくなっていくようにも感じます。

年賀状

きょうは、ねえちゃの年賀状作りです。

長野県「雷鳥くんの初日の出」、という絵が右下に入った年賀ハガキに、「恭賀新年」と繭玉のイラストをくっつけて印刷しました。

今年買ったのは20枚だけですが、困ったのは、どこへ送るのか、ちんぷんかんぷんで、ねえちゃはとんと決めようとしません。

もう2週間も前から、だれに出すか決めといてと言っているのですが、これまでに来た年賀状をパラパラめ繰り返しているだけです。

年賀状というものがどういうものだったのか、頭の中から消え去りつつあるようにも思えます。

あの人はどう、この人はどうする、と私のほうで指定してなんとか出す人を決めて、とりあえず16枚、印刷しました。

ひょっとするとねえちゃの年賀状を出すのも、これが最後になるかもしれないな、とちょっぴり寂しい感じもしています。

連絡カード

きのうデイサービスセンターから持ち帰ったものをみんな見せて、というと、その中にクリアケースに入った連絡用とみられるカードが入っていました。

これが、ねえちゃがしばしば「ない、ない」と言っていた「連絡帳」のようです。

「昼食」には、鯖の照焼き、里芋の煮物、ブロッコリーの辛子マヨなど。

「訓練・レクリエーション」には、ストレッチ体操、脳活体操、塗り絵、般若心経の写し、屋外歩行トレ(240M)などなど、やったことが細かく記入されています。

ずいぶんいろんな活動をやっているんだな、と驚かされるほどです。

ねえちゃはそれらのほとんどを忘れてしまっていますが、ただ、テーブルを囲んで4、5人の人たちと話をした記憶は残っている、といいます。
松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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