Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

2016年11月

連絡帳

きょうはデイサービスセンターの日。「体調が悪いので行きたくない」と言っていたねえちゃですが、朝、お嫁さんからかかって来た電話に励まされて、なんとか出かけました。

きょうは、お風呂に入ったことは覚えているとのこと。昼ごはんは、「何を食べたか忘れたけど、たくさん食べた。野菜が多かった気がする」といいます。

夕方帰ってきてから「連絡帳」とかいうのがどこかへ行ってしまった、といって探していました。

どうも、センターであったことなどが書かれているもののようですが、見つかりません。

以前は、きっちり整理整頓をして、ものを失くすなんてことはあり得なかったねえちゃですが、最近は何となく片づけているようでいて何がどこにあるのか皆目分からないような状態になっています。

過食

1週間ぶりくらいでねえちゃの家に行ってみると、生協からきのうの夕方届いたはずの惣菜類の大半がなくなっています。

朝や昼のおかずとして、3、4日は大丈夫かな注文しているのですが、バックがいくつも空になっていることからすると、届いたとたんに1日足らずで食べてしまったようです。

認知症患者には、目を離したすきに冷蔵庫の中のものを食べつくしてしまったり、何杯もご飯を食べ続ける過食症状が見られることもあるといわれます。

食事を取ることで血糖値が上がるのを感知して、「これ以上は要らない」と食欲を抑える満腹中枢がおかしくなってきているのでしょうか。

もの忘れがひどくなって、ご飯を食べても、食べても、食べたことを忘れてしまうのでしょうか。

いずれにしても最近、一日中寝てばかりいるのに食欲が異常に多いな、と感じることが増えてきました。

効き目

ねえちゃは最近ようやく、アルツハイマー病と血圧の薬を一錠ずつ飲む習慣が身についてきたようです。

ねえちゃが飲んでいるアルツハイマー病薬は、アリセプト(ドネペジル)という薬ですが、他にリバスチグミン、ガランタミン、メマンチンの3種類の薬が治療に使用されているそうです。

脳は、膨大な数の神経細胞(ニューロン)の巨大なネットワークとして成り立っています。こうした医薬品は、ニューロン間の情報を伝達する化学物質です。

神経伝達物質を制御することによって、思考や記憶、発語能力を維持するのに役立ち、特定の行動や精神症状の改善にも役立つ可能性があるといいます。

でも、これらの医薬品は、アルツハイマー病の病態そのものの進行に変化を与えるものではありません。効くか効かないかは人によって違うようです。

ねえちゃについても、効いているのかどうか、はっきりしたことは分かりません。

アルツハイマー病のよくある行動・心理症状としては、不眠、興奮、徘徊、不安、怒り、鬱などが挙げられています。

こうした症状がなぜ起こるのか、それらに対処する決め手になる治療法はないのか、といった点については、まだまだ研究のまっただ中、ということなのでしょう。

老人性鬱

「おまえ、きょう来るんでしょう。雨が降っていて買い物に行けないから、夕食に何か買ってきてくれない」と、ねえちゃから電話がありました。

私が、きょう行く予定はありません。何を勘違いしたのか、夢でも見たのか。夢と現実がごちゃ混ぜになったのか。

最近はずっと調子がよさそうだったのですが、躁と鬱がかわるがわるやって来る状態はずっと続いているように思えます。

鬱病は子どもから高齢者まで幅広くみられますが、老年期の発症は他の年代よりも確率が高いそうです。

原因としては主に、「喜びの喪失」「意欲の低下」「思考力の低下」の三つの条件がかかわるようですが、ねえちゃはいずれにも当てはまるように思えます。

65歳以上の高齢者でうつ病で入院した患者は全国で1万人にのぼり、70代以上の自殺者は年々増えているとか。
 

アルツハイマーの伝記

アルツハイマーの世界で初めてという伝記の古本を買いました。アロイス・アルツハイマー(1864-1915)は、ドイツのバイエルン州マルクトブライト出身の医学者、精神科医です。

アルツハイマーのもとを訪れた、嫉妬妄想や記憶力低下を訴えるアウグステ・データー (発症46歳) という女性の症例を、1906年にテュービンゲンのドイツ南西医学会で発表しました。

これが、世界で最初に確認されたアルツハイマー病だったわけですが、この時はほとんど注目を集めることはなかったようです。

当時は、認知症のほとんどは梅毒によると考えられていたとか。その後、この症例はクレペリンの著述による精神医学の教科書で大きく取り上げられ、病気として広く知られるようになりました。

最初の症例が40代後半~50代前半と若年発症だったため、アルツハイマー病は初老期の認知症として、よくある老年期の認知症とは区別されていましたが、1960年代に盛んになった臨床病理学的研究によって、同一のものであることがわかりました。

1912年、ブレスラウのブレスラウ大学精神科教授に就任。1915年12月に大学へ向かう途中の列車内で体調を崩し、間もなく心疾患のために没したそうです。まだ51歳でした。アルツハイマーの生涯については、このブログで今後も逐次紹介していきたいと思います。

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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