Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

2016年09月

忘れかた

ねえちゃと同じように、私も、最近は忘れてばかりいます。ちょっと前まで覚えていたはずなのに、思い出せずイライラすることはしょっちゅうです。

でも、たいていの場合は、忘れていることを指摘されたりすると「そうだ、忘れていた」と思い出すことはできます。

しかしアルツハイマー型認知症になると、自分のした体験そのものを記憶していないために、「忘れていた」と思い出すことが出来なくなってしまうようです。

誰かと約束したことも、電話をしたことも、それ自体を忘れてしまっているので、約束をやぶったり、何度も同じことを聞き直したり、といったことが日常的に起こります。

「あした午前中、病院へ行く」と約束して30分もたたないうちに、近所の人と「あした朝から美容院に行く」と、ねえちゃは平然といい出します。

さらには、美容院へ行く時間をすぐに忘れてしまって、「あした何時でしたっけ」と近所の人に3度も聞きにいく始末です。

病気なんだから仕方がないとは思いつつも、気が短い私はそんなたびごとにカッとアタマにきて、ねえちゃと言い合いになります。
 

アルツハイマー

アルツハイマー病は1906年、ドイツの精神医学者アロイス・アルツハイマー(1864-1915)=写真=によって、はじめて報告された病気です。

Alzheimer

それまで認知症はほとんど、梅毒によって起こると考えられていたそうです。ところが、アルツハイマーはアウグステ・データーという嫉妬妄想、記憶力低下など訴える女性患者(初診時51歳)の症例を、新たに学会で発表したのです。

それを機に、初老期に発症して記憶障害や妄想を特徴とする認知症を呈し、病理学的には老人斑や神経原線維変化が認められる病気が、アルツハイマー病と呼ばれるようになりました。

当初、アルツハイマー病は初老期の認知症として老年期の認知症とは区別されていました。しかし、1960年代に臨床病理学的研究が盛んになって、同じものだという結論になったそうです。

アルツハイマーは1912年、ブレスラウ大学精神科の教授に就任しました。しかし1915年、大学へ向かう列車の中で体調を崩し、間もなく心疾患のため亡くなりました。51歳でした。

新しいピルケース

アルツハイマー病の薬を飲むのにねえちゃはだいぶ慣れてきたので、きょうから、6日分のピルケースを15日分はいる大きめのに変更しました。

東京の100円ショップで買ってきた、3段5列のセルがある青い透明のピルケースです。

上段から順に、日付と曜日を記入したラベルを貼って、これまでと同じように、両面テープでテーブルの端にくっつけました。

15日間毎日、夕食後、日付のついたセルに入っている血圧の薬と合わせて2錠をいっしょに飲めるようになっています。

飲んだ後、血圧を測って、ずっと続けている血圧手帳に折れ線グラフを書き込みます。

このあいだ、薬局へ行ったときに新しい血圧手帳をもらって来ました。準備は万端です。
 

効き目

きのう、ねえちゃは、かかりつけの脳神経外科へ行きました。

2週間前に処方してもらったアルツハイマーの薬、アリセプト(5mg)が、終りに近づいたからです。

日にちと曜日のラベルを付けてテーブルの上にくっ付けたピルケースが効いたのか、血圧の薬といっしょになんとか2週間、毎日きちんと飲み続けることができました。

「5mg」に増やしてからも副作用らしきはないので、今度は1カ月分、処方してもらうことになりました。

相変わらず、食欲があり、夜もぐっすり眠っています。でも、これまでのように「こんなバカ生きていてもしょうがない」と、ふさぎ込んでいるときもしばしばあります。

薬が効いているのか、効いていないのか、よく分かりません。が、「現状維持」ならまあ効いていると思って気楽に構えたほうが良さそうです。
 

南水

ねえちゃの甥から、きょう、段ボールいっぱいの梨が届きました。「南水」という種類のようです。

「南水」は、「越後」と「新水」という梨の交雑により長野県南信試験場で生まれた赤梨。1990(平成2)年に品種登録された、県の比較的新しいオリジナルブランドだとか。

手に取ってみると、大きくてがっしりとしています。でも、果肉は適度にやわらかく、歯ごたえもあり、みずみずしくて甘味がしっかりと感じられます。

冷蔵庫に入れて少し冷やして食べると、シャキシャキ感や甘みがより引き立って美味が増してくるように思われます。

梨は弥生時代のころから食べられていたとか。フルーツ王国の信州では、梨だけをとっても、9月上旬から「幸水」、半ばには「豊水」、そして「南水」と次々に味わうことができます。

ねえちゃもさっそく、「おいしい、おいしい」と何度も繰り返しながら、“秋の味わい”を堪能していました。ごちそうさまです。

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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