Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

2016年04月

「アタマのほうが……」

「カラダのほうは元気なんだけど、アタマのほうがおかしくなっちゃって」。ねえちゃは最近、あいさつのとき決まって、そんなふうに口にするようになりました。

確かに、カラダは元気です。薬といえば、高血圧がたまに高くなることがあるので“念のため”程度に1日に1錠ずつ飲んでいるだけ。血圧の薬2種に血糖値を下げる薬を飲んでいる私のほうが、ずっと重症です。

多少風邪気味かなというときには葛根湯を飲めば、すぐ治ってしまうといいます。足腰が痛むこともなく、眼鏡をかけなくても日常生活に不自由はありません。

ひとに迷惑をかけまいと、人一倍、健康に気遣ってきたのが功を奏したわけですが、お医者さんでもなかなか手に負えない「アタマのほう」でこんなに悩むことになるとは、ねえちゃも想定していなかったようです。

「お酒を飲んだり、無茶して何かに夢中になったり、カラダに多少悪いことしたほうがかえってアタマにはいいんじゃない?」というと、「ん~」。

きょうは、連休中に誰かが来てもいいようにと、ねえちゃにとってのお土産の定番である「みすゞ飴」などのお菓子を買いに出かけたそうです。電話をすると「まだ、お前の声は分かる。大丈夫だ」と元気そうでした。

鍵がない!

ねえちゃの心配事の一つは、散歩に出かけたときなどに、鍵を落としたり失くしたりしてしまうことです。

落としたらすぐに分かるように、鍵には大きな音のする鈴を付けてありますが、立ち寄ったお店などに置き忘れて鈴の音がしなくなっているのにも気づかない、なんてこともありえます。

道に迷ったときには、近所の人に助けてもらうことができますが、家の外で鍵を失くしたら、誰か居るときでなければ家の中に入ることができなっくなってしまいます。

家に誰も居なかったきょう、散歩に出かけたねえちゃは、鍵を失くしてしまって探すのに「えらいたいへんな」思いをしたそうです。

家に帰ってみると、いつも財布なんかといっしょに持ち歩いている鍵がありません。でも、家に入れたということは、自分で玄関のドアを開けたはず。

とすれば、家の中にあるはず、ということには気づいて、家中を探し回ったそうです。幸い、普段はあまり使うことのない二階の部屋に、なぜか置き忘れていたのを発見!事なきを得ました。

私は、鍵を忘れないようにいつも首にぶら下げて歩いています。「少しカッコウ悪いけど、ぶら下げてみたら」とねえちゃにすすめると、「そうせんとダメかなあ!」と言ってました。

 

パソコン

ねえちゃは、いまはパソコンを使ってはいません。でも、以前は、使えるようになろうと、文字の打ち込みなど練習をしていたことがあります。

5年前、WiFiなどに対応した新しいパソコンに買い替えました。そして、ねえちゃがずっと続けている日記帳とは別に、「他の人が読んでもいい内容」の「記録」を、wordで打ち込んでいく練習をはじめました。

「パソコンが動かなくなった」「漢字がうまく変換できない」など、周りに尋ね、尋ね、変換を間違えながら、2011年11月から2013年12月まで2年間、パソコンへの打ち込みを続けました。

ねえちゃがパソコンで打った「記録」は、2011年11月21日付の次のような記載から始まっています。

〈今朝は、今秋一番の寒さ朝の散歩は取り止め。午前中、笠間病院へ行く。寒いせいかあまり混んでいなく、割合早く終わる。

午後、パソコンに向かうが、なかなかうまくいかない。これでは何時になったら出来るのか、頭の痛いことだ。

今晩は、初めてのパエリアを宅配で取ってみる。どんなものか楽しみだ。〉

コゴミ

山村で育ち、結婚してからも木曽谷、鬼無里など、山を転々としてきたねえちゃは、ワラビやゼンマイなど、山菜が大好きです。

むかしはよく、山菜採りにも出かけましたが、最近はそんな機会もほとんどなくなっています。

先日、近所のかたからコゴミをたくさんいただきました。「これは、お浸しに限る」と、ここ数日、毎食のように茹でては食べて、今日、ほぼ食べ終わったそうです。

コゴミは、正確にいうと多年生シダ植物の一種のクサソテツ(草蘇鉄)のことです。コゴメ、カンソウ、ガンソウとも呼ばれます。

主に、山菜として食用にされる若葉をコゴミ(屈)というようです。先端が渦巻き状に巻き込まれたようになっている姿が、かがんでいるように見えることなどから、そう呼ばれるようになったとか。

山地の草原や川岸に群生します。いまごろから6月中旬ごろにかけて、しばしば若葉を摘みに行って、お浸しやゴマ和え、天ぷら、サラダなどにして食べます。

ねえちゃは、「コゴミは、さっと軽くゆでて作るお浸しがいちばんおいしい」といいます。ゼンマイのようなアクがないし、ワラビほどではないがほどよい“ぬめり”がある。そうした特性を生かすには、お浸しが最も合っているというのです。

さすがに慣れたもので、最近よくやってしまう「茹で過ぎ」の失敗もなく、ほどよいサクサク感。いっしょに私も、春を味わわせていただきました。

 

連休

いよいよ連休が近づきましたが、出歩くことがあまり好きではないねえちゃは、これといった予定は、いまのところありません。

「孫でも来るようなら、戸隠へでもいっしょに連れてってもらおうかな」とった程度です。

連休中は病院も、歯医者さんもやっていないので「予約日」はありませんし、宅食の配達も休みになります。

でも、ねえちゃの好物の酢だこやイカ、魚は、生協に注文して冷凍してあるし、近所からもらった山菜や果物もたくさんあります。

連休、ほとんどスーパーへ行かなくても飢えることはなさそうです。

いつものように好きなものを食べて、お風呂にゆっくり浸かって、ねえちゃには、それが最適な連休の過ごし方なのかもしれません。

ただし、連休中は、散歩の途中で帰り方が分からなくなって近所の人に迷惑をかけるようなことはしないようにしよう。そんな心構えではいるようです。

 

 

 

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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