窓からぼんやり眺めていても、道をだれも通らなくなった。ちょっと散歩に出ても、誰とも会わない。

そんなふうに最近、ねえちゃは、周囲に人の気配がなくなったと言って妙に寂しがります。

「寒さの厳しい2月の真ん中なんだから、人が家から出て来ないのは当たり前じゃない」というと、

「それにしても、以前はそうでもなかった」といいます。

近年、近所の人たちの数がとくに減ったといったこともありませんし、実際はしばしば人の声も聞こえてきます。

夕方になると、近くの田んぼの脇道を不自由な体で毎日必ず、ゆっくり、ゆっくり歩いている老人がいます。

「散歩で、あの人に会うこともなくなったの?」と詳しく聞いてみると、ホントのところはよくすれ違って、あいさつを交わしているようです。

周囲の人たちが少なくなった、といういうよりも、ねえちゃ自身の気持ちの持ちようが変わったのかもしれないな、とも感じます。

「なにがなんだかわからなくて」と繰り返す日々の中で、誰ということもない“人恋しさ”が深まってkているせいなのかもしれません。