夕食になって、ねえちゃは「漬け物ないかな」と思い出したように言って、冷蔵庫や物置を探し出しました。

どうも、むかし漬けたのが、どこかにたくさんあるような気がしたようです。でも実際には、最近はもう、漬けるノウハウもすっかり忘れてしまっています。

唯一、親せきから昨年もらったウメを漬けてありますが、ねえちゃはご飯などとウメを食べるのはあまり好きでありません。

日本では天平年間(729~749)の木簡に、すでにウリや青菜などの塩漬けのことが記載されているそうです。その後、奈良時代に入ると大陸から酒や味噌などの調味料が醸造されるようになり、漬け物も多彩になっていきます。 

江戸時代には糠漬けも登場し、「香の物屋」という専門の店も生まれて、いよいよ庶民に浸透してきました。田舎に育ったねえちゃも、子どものころから食事には漬け物が無くてはならないものだったのです。 

なにはともあれ、自分から何かを食べたいと言い出したことは喜ばしいこと。ダイコンやキュウリ、ハクサイなどの漬け物を、生協に注文することにしました。