Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する記録です

注文票

4日ぶりにねえちゃの家を訪ねると、今週の月曜日に渡したはずの来週分の注文票が出てきました。これ渡したんじゃないの」と言っても、いつものように「わからない」というだけです。

そういえば玄関の前に生協のボックスがたくさん置いてあります。中が空であることからすると、生協の人がここへ置いていったのを、ねえちゃが冷蔵庫などに入れたことはどうも間違いなさそうです。

月曜日の午後1時までは私が居て、ねえちゃに「きょうは生協の日だからずっと家に居ること」と念を押しました。

生協に問い合わせると、玄関のベルを2回鳴らしても出なかったので外に置いていった、とのこと。ただし、いつもの担当者とは別の人が来たそうです。

果たして、ねえちゃが徘徊に出てしまって留守にしたため注文票を渡せなかったのか。それとも、居たのに寝ているかしてベルに気が付かなかったか。生協の人が居るかどうかの確認が不十分だったのか。

もちろん「記憶」というものが壊滅状態にあるねえちゃに聞いても無駄ですし、ですから、生協に文句を言う根拠も見つかりません。

注文票を渡してないので、いまやねえちゃの食生活の中心になっている生協からの来週一週間分の食料品が無いことになります。

それ以上に大きなショックなのは、ねえちゃのほとんど唯一の仕事だった、週一回、注文票と食品のやり取りをする作業もとうとう出来なくなってしまったのかな、という点です。

「デイサービス、増やしたら?」

きょうは、デイサービスの日です。忘れずに行くようにと毎週朝、お嫁さんが掛けている電話には「着替えを持っていけばいいんだよね」と言って、出かけました。

帰って来て覚えていることといえば、いつものように「お風呂へ入ってきた」ことくらいです。

センターの人の話だと、特にこれといった問題もなく、みんなと馴染んで仲良くやっているようです。でも、なぜか、お風呂以外に印象的なことがないようです。

「家に居てもパジャマで寝ているだけでやることなんだから、センターへ行く回数を増やしたらどう」と言っても、なぜか乗り気ではありません。

もともと性格が受け身なせいもあって、ひとに勧められても「エイヤー」と何かをやってみようとする気持ちがねえちゃにはわいてきません。

スイカの季節

長野のきょうは最高気温が34度近くまで上がりました。でも、一日中寝床にいるねえちゃには、あまり関係なかったようです。

長野県は、スイカの生産でも全国の上位を占めていますが、なかでも有名な松本市の波田でハウス栽培のスイカの出荷が始まったそうです。

今年は生育は順調で、とくに6月に入って昼夜の温度差が大きかったため甘みも十分だそうです。今年もいよいよ、トウモロコシとスイカの季節の到来です。

ねえちゃは、料理ができなくなっても、トウモロコシはさっさと皮をむいて電子レンジにかけることはできます。

スイカは、丸ごと買って、というわけにはいかないので、たいていスーパーで細かく切ってパックしたのを買ってきて食べています。

もう、電子レンジ

料理を自分で作れなくなってきたねえちゃの食生活はいま、ワタミの宅食と生協の宅配で成り立ってます。

ですが、当人は、どこが何をいつ届けてくれるのかチンプンカンプンでいまだによく分かっていません。

毎週月曜日は、注文しておいた一週間分の食べ物が生協から届けられます。

「きょう、生協届いた?」と夜、電話で聞くと、いつものとように「届いてない」とこたえます。

「え~。家を留守にしたの?」「いや、ずっと居た」。「じゃあ、受っとったはずでしょ」「え~ッ、そうだったかな」。

「注文した中にトウモロコシ3本があるはずだけど、そのヘンに置いてない?」

「ないよ」「そんなはずはないでしょ。ひょっとしてもう食べちゃったの?」

そんなやりとりをしていると、「チーン!」と音がしてきました。「ああ、トウモロコシ、いま電子レンジにかけているところだった」。

「中等度」から「高度」へ

ただ一つの楽しみだったはずのお風呂。でも最近ねえちゃはしばしば、「スイッチどこ押すんだったっけ」と、入りかたがわからなくなるようになりました。

たいていは一日中寝床に居て、たまに起きてくると、放心したような顔をして「なにがなんだかわかんない」といっています。ただ、息子の顔はまだなんとか認知できるようです。

新しい薬を飲み始めるに際し、お医者さんからもらった「メマリーノート」という冊子の症状欄を見ると、「中等度」を過ぎて「高度」に入りかけたのかな、というような気がします。

「最近の大きな出来事(冠婚葬祭など)を忘れる」《中等度》は完全にそうですが、「昔の印象深い出来事を忘れる」《高度》ところまでは、まだ完全には行っていません。

食事については「日課でしなくなることが増える。簡単な料理でも間違う」《中等度》はずっと前からそうで、「家事をほとんどしない(料理ができないほど)」《高度》というのは、まさにそうなりつつあるところです。

薬は「言わないと服薬を忘れる」《中等度》はずっと前からで「介護者が管理しなければならない」《高度》の状態ですが、特製のピルケースに入れて管理することで、毎日服薬することはいまのところ何とかできてはいます。

もらいもの

認知症の症状が進行するにつれて、ねえちゃの食欲はどんどん旺盛になってきています。きのう4本買ってきたトウモロコシも、すぐにゆでて、「おいしい、おいしい」と平らげてしまいました。

けれども、トウモロコシを茹でる、というあたりまでは出来ても、それ以上の料理となると最近はほとんど不可能になってきています。

知り合いから野菜などをもらっても、私が居ないときは放ったらかしにしたままで、たいていは食べるどころかあることも忘れて傷んでしまいます。

親せきなど事情を知っている人たちは、最近は気をきかせて野菜の差し入れなどを控えてくれるようになってきました。

食欲旺盛と言っても特に「これを食べたい」というものがあるわけではありません。冷蔵庫の中にあるすぐ食べられる出来あいのお惣菜などを手あたり次第、むしゃむしゃ食べるのです。満腹中枢が少々おかしくなっているのでしょうか? 

せめていま何を食べているのかくらいは自覚してもらいたいと、食べたらすぐに今何を食べたかメモするように言っているのですが、当然、そんなことはすぐ忘れてしまっています。

1カ月分

きょうはお医者さんの日です。ここ1カ月は毎週通っていますが、ねえちゃはいまだにお医者さんの名前も、道順も頭のなかに入っていきません。

NMDA型グルタミン酸レセプターの拮抗薬「メマリー」を飲みはじめて1カ月。プロトコル通り5mg、10mg、15mg、20mgと増やしてきました。

ねえちゃの症状に顕著な変化は見られませんが、血圧も安定していて、本人も「頭以外にへんなところはない」といいます。

メマリーは、1日1回20mgを飲み続けることで効果がある薬だそうです。これから「20mg」を飲み続けて様子を見ていくことになります。

きょうは3週間分を処方してもらいました。まだ1週間分残っているので、あわせて1カ月分になります。

気持ちのいい風が吹く晴天。帰りに、旬を迎えたトウモロコシやまんじゅうを買って、トボトボ歩いて帰りました。

水切りネット

台所の三角コーナーで使う水切りネットが無くなって、ねえちゃは、ここしばらくスーパーのポリ袋などで代用していました。

高いものではないので、近くのドラックストアへ寄ったついでに、「特許申請中」とかいう水がたまらないように細かい穴が開いたオレンジ色の水切りネット(15枚入り)を私がきのう買って来ました。

さっそく三角コーナーに取り付けてみると、なかなか便利そうです。当分これを使ったらと昨夜、買ってきた水切りネットの袋をねえちゃに渡しておいたのですが、どこかへしまい込んだのか、捨ててしまったのか、すぐにその存在を忘れてしまっています。

「どこかにきっとあるだろう」ときょうもう一度、台所近辺を探しまわりました。すると、どうしたことか、青い水切りネット(50枚入り)と緑の水切りネット(35枚入り)が出てきました。

ねえちゃがいつか買って来ておきながら、いつものようにしまい忘れていたのです。肝心のきのう買ってきたオレンジ色のほうはというと、不思議なことにぜんぜん見つかりません。

「増やしてみたら」

きょう、ねえちゃはデイサービスの日です。だいぶ習慣になって来て、最近は行くのを嫌がることもなくなってきました。

いつものように、お風呂へ入ってきたことは覚えていますが、「ごろっと寝てただけ。ほかはみんな忘れちゃった」といいます。

アタマのほうはアルツハイマー病がかなり進行してきているなと感じますが、カラダについてはこれといった不自由はいまのところありません。

家にいても寝ているだけなので、「薬も増やしたことだし、デイサービスも週2回とかに増やそうか」と提案してみますが、本人はなぜか乗り気になってくれません。

まわりで行くように言うから行っている、というだけで、自分で積極的にしたいということがない。ねえちゃの“困りもの”の性格は、なかなかうまいようにはなりません。

市長選

ねえちゃの住む長野市の市長選挙が、もうすぐあるようです。

きょう、新人で会社役員の土屋龍一郎さん(55)という人が記者会見して、「長野市の歴史、文化、五輪など多くの資産を発掘し、活用することに尽力したい」と立候補を表明したと報道されていました。

土屋さんは、長野青年会議所理事長、日本青年会議所会頭を歴任し、最近まで市の第三セクター「エムウェーブ」の社長だったという人だそうです。

ねえちゃに「いまの市長さん何ていう人なの」と聞いても「知らん」といいます。県知事さんは、総理大臣と同じ呼びかたの「アベさん」らしい、というのは頭のどこかにあるようですが……。

報道によると現職は、加藤久雄さん(74)という人だそうで、すでに出馬の意向を固めて、近く市議会一般質問で表明する予定だとか。

共産党長水地区委員会や長野労連などで「市民が主人公の長野市政をつくるみんなの会」という、選挙の前になると似た名前をよく耳にする団体ができていて、選挙戦への対応を検討しているとか。三つどもえになる可能性もあるということでしょうか。

10月22日告示、29日投開票なのだそうです。選挙のことはよくわかりませんが、そのときねえちゃが、誰が立候補していて、自分は誰がいいと思い、投票に行ける、そんな状態であってもらいたいものだと願っています。 

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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