Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

都知事選

「都知事選、ずいぶんいっぱい出たんだね」とニュースを観ながら、ねえちゃは言います。

なんでも、候補者の中でねえちゃが知っているのは鳥越さんくらいだそうです。「でも、ずいぶん白髪が増えたねえ」。

「癌の手術を何度もやって乗り越えたんだって」「へー、すごい」。

東京へ帰って見ると、いつのまにか都知事選のポスターの掲示板が、近所にもいくつか置かれていました。

21人も立候補したそうですが、一つの掲示板には増田さんと小池さん、別の掲示板には増田さんと鳥越さんのポスターが貼られているだけ。

さすがに大東京、数え切れないほどある掲示板にポスターを貼るだけでもたいへんなことなんですね。

 

入れ歯ケース

きのうから無い無いといって探していた入れ歯が、夜になってやっと見つかりました。

洗おうと思ったのか、コップに入れていたのをそのまま食器棚の隅っこのほうに置きっぱなしにしていたようです。

ホッとしているねえちゃに「入れ歯ケースは無いの?」と聞くと、「おじいさんが使ってたのがどこかにあったはずだけど、見あたらない」。

しかたがないのでインターネット通販で、「取っ手付きの水切りカゴで、手を汚さずにすすぎができる入れ歯洗浄容器です。カップは軽量強化磁気製」という「リクープ 入れ歯ケース」という商品を1個注文しました。

購入者のレヴューでは「蓋と洗浄部分とコップに分かれていて、とても使いやすい」などと、なかなか好評のようです。

 

「入れ歯が無い」

「入れ歯が無い」。ねえちゃは朝から、そう言って家の中をウロウロしています。

半年近くかけて通って、なんとか近所の歯医者さんに入れてもらった入れ歯です。

「バカになって夢なのかなんなのかわからないけど、歯医者さんに預けたような記憶もあるんだけど」とも言います。

けれど、入れ歯が入ってずっと使ってきていたのは確か。

このあいだ、1カ月後の点検のためにとった予約は、ねえちゃが勝手にキャンセルしてしまったので、このところ歯医者さんへは行っていないはずです。

「飲み込んじゃった可能性はないの?」「あんな大きいの。それはないと思う、それは」

入れ歯が無くても食べられるんだから、まあ気長に出てくるのを探すしかないなあ。それで、いよいよダメなら、作り直してもらおうか。

けっきょくそういうことになって、「入れ歯探し」の仕事が始まりました。

 

21対11

「21勝11敗だったんだ」。

テレビのニュースキャスターの言うことをなぞるように、ねえちゃはいっていました。

参院選の選挙区選のうち、32ある改選定数1の「1人区」のうち、自民党が21選挙区で勝利。

一方、民進党共産党など4野党は全1人区で野党統一候補を擁立しましたが、勝ったのは11選挙区でした。

ねえちゃは政治のことはよく分かりません。野党が11選挙区を制したことをどう評価するか、なんて言われてもこたえようがありません。

でも政治に、それなりの関心は持とうとしているようです。

今回もそうですが、選挙は必ず行きます。

「年寄りが細々とでも生きていける」「戦争をしない」。

そんな国であってほしい、と願っています。

投票

参院選の投票日。“忘れる天才”のねえちゃも、午前中にちゃんと投票してきたそうです。

「投票所はすきすき。係の人ばかりがたくさんいて、投票に来た人とはほとんど見かけなかった」。

夜には、たくさん茹でたとうもろこしをかじりながら、めずらしく遅くまでテレビの開票速報をながめていました。

ただし、次々に出てくる「当確」者に、ついていけず、「きょう入れた人どうなったんだろう?」

「当確って出てるでしょ」

「ほんと?、いつ決まったんだろう」

とりあえず、選挙区の投票用紙に書いた人はバンザイだったようです。

 

東京嫌い

「東京に住む気はないの?」とねえちゃに聞くと、いつも「嫌だ」ときっぱりといいます。

「あんな、人ばっかりのところじゃ、とてもじゃないけど生きていけない」といいます。

だいぶ前、酉の市のときに、鳳神社から浅草寺まで人の大波に飲み込まれながら歩いたことがありました。

なにも、そういう特別な行事に酔ってしまった、というわけではなさそうです。

人だらけのホームで電車に乗ったり、いつ足を踏まれるかわからない街路を歩いたり、混雑した店で買い物をしなければならない。

そういったことを考えるだけでウンザリするようです。

私にとっては、夜になると懐中電灯をつけなければならない青木島も、歩きにくいように思うのですが。

 

比例区

いよいよ参院議員選挙が、直前に近づきました。ねえちゃは、いちおう投票する人を決めたようです。

が、意中の人の名前を忘れずにちゃんと書けるかどうかは、本人もすごく心配しています。

選挙では、県区と比例区の「2枚」の投票用紙があります。1枚目はクリーム地に黒枠の県選挙区用。2枚目は白地に赤枠の比例代表選挙区用です。

県選挙区用は、長野県では3人が立候補していますから、3人の中から1人を選んで記入すればいいので、誰に入れるか決めていれば割と簡単です。

問題は比例区のほうです。

比例区の用紙には「候補者の名前」か「政党の名称」を記入します。ねえちゃは投票したい人は決まっているのですが、その名前をすぐに忘れてしまいます。

今回の参院選比例区では、改選数48に対して164が立候補しています。

投票所へ行ってから、164人のなかから意中の人の名前を探すのは、とくに高齢者にとっては大変な作業です。

かといって、投票しようと思う人の名前を覚えても、すぐに忘れてしまいます。名前をメモしておいても、そのメモのこともすぐに忘れてしまいます。

 

梅雨に入っても雨が少ないため、首都圏に水を供給している利根川水系のダムでは先月から10%の取水制限をしているそうです。

気象庁によると、関東北部では、この先1週間も雨の少ない状態がつづいていく見込みだとか。

ねえちゃの住んでいる長野県は、関東の隣りですが、この20年間渇水したことがないそうです。

アルプスなどの豊富な雪解け水や8つの一級水系の源流域にあるため、水資源に恵まれ、水の安定供給ができるからです。

水資源が豊かなだけでなく、水質も良く、名水もたくさんあります。

汚染の進んでいない良質の水源が確保されていれば、それだけ水道水もおいしくなります。浄水処理施設や薬品にかかる費用も少なくてすむことになります。

東京生活が長くなった私は、飲み水はミネラルウォーターに頼っていますが、ねえちゃは「水道の水がいちばんおいしい」と、決してペットボトルのを飲もうとはしません。

七夕

そういえば、あしたはもう七夕です。

七夕はもともと、天の川(銀河)の両岸にある牽牛星(ひこぼし)と織女星(おりひめ)が、年に一度相会するという伝説に基づいて、星をまつる行事。

ねえちゃの住む青木島もだいぶ夜の灯りは増えてきましたが、星を観るには、東京と比べれば格段に優れた環境にあります。

星座に詳しくない私は、散歩のついでにときおり、川中島の八幡原にあるプラネタリウムに寄って、その季節の星座の見方の“予習”をするようにしています。

牽牛星は、わし座のα星アルタイル。織女星は、こと座α星ベガ。それから、はくちょう座のα星デネブ。

これら三つの星を頂点としたのが「夏の大三角形」です。夏の星めぐりは、まずは、明るく輝くこの「三角形」を見つけるところから始めるのがいいそうです。

告示

参院選もいよいよ終盤戦へと差しかかってきました。

参院選と同じ日に投開票される、ねえちゃの故郷、下條村の村長選と村議補欠選も、きょう告示され、5日間の選挙戦に入りました。

ねえちゃは参院選よりも、むしろ下條村の選挙のほうに興味があるようです。

村内には、参院選、村長選、村議補欠選の三つの掲示板が並んで、ポスターが張りだされました。

新聞報道によると、村長選には前村議会議長の宮嶋清伸氏(51)と、前村議の金田憲治氏(69)の新人2人が立候補、8年ぶりの選挙戦になったそうです。

金田氏の辞職に伴っておこなわれる村議補選は、行政書士の村上和彦氏(77)と農業の竹村宗次氏(65)が立候補したそうです。

ねえちゃは「もしも知った人が出れば、それなりの応援はしなきゃ」と思っていたそうですが、「立候補したのは若い人が多くて、知っている人はいなかった」とか。

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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