Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

投票

参院選の投票日。“忘れる天才”のねえちゃも、午前中にちゃんと投票してきたそうです。

「投票所はすきすき。係の人ばかりがたくさんいて、投票に来た人とはほとんど見かけなかった」。

夜には、たくさん茹でたとうもろこしをかじりながら、めずらしく遅くまでテレビの開票速報をながめていました。

ただし、次々に出てくる「当確」者に、ついていけず、「きょう入れた人どうなったんだろう?」

「当確って出てるでしょ」

「ほんと?、いつ決まったんだろう」

とりあえず、選挙区の投票用紙に書いた人はバンザイだったようです。

 

東京嫌い

「東京に住む気はないの?」とねえちゃに聞くと、いつも「嫌だ」ときっぱりといいます。

「あんな、人ばっかりのところじゃ、とてもじゃないけど生きていけない」といいます。

だいぶ前、酉の市のときに、鳳神社から浅草寺まで人の大波に飲み込まれながら歩いたことがありました。

なにも、そういう特別な行事に酔ってしまった、というわけではなさそうです。

人だらけのホームで電車に乗ったり、いつ足を踏まれるかわからない街路を歩いたり、混雑した店で買い物をしなければならない。

そういったことを考えるだけでウンザリするようです。

私にとっては、夜になると懐中電灯をつけなければならない青木島も、歩きにくいように思うのですが。

 

比例区

いよいよ参院議員選挙が、直前に近づきました。ねえちゃは、いちおう投票する人を決めたようです。

が、意中の人の名前を忘れずにちゃんと書けるかどうかは、本人もすごく心配しています。

選挙では、県区と比例区の「2枚」の投票用紙があります。1枚目はクリーム地に黒枠の県選挙区用。2枚目は白地に赤枠の比例代表選挙区用です。

県選挙区用は、長野県では3人が立候補していますから、3人の中から1人を選んで記入すればいいので、誰に入れるか決めていれば割と簡単です。

問題は比例区のほうです。

比例区の用紙には「候補者の名前」か「政党の名称」を記入します。ねえちゃは投票したい人は決まっているのですが、その名前をすぐに忘れてしまいます。

今回の参院選比例区では、改選数48に対して164が立候補しています。

投票所へ行ってから、164人のなかから意中の人の名前を探すのは、とくに高齢者にとっては大変な作業です。

かといって、投票しようと思う人の名前を覚えても、すぐに忘れてしまいます。名前をメモしておいても、そのメモのこともすぐに忘れてしまいます。

 

梅雨に入っても雨が少ないため、首都圏に水を供給している利根川水系のダムでは先月から10%の取水制限をしているそうです。

気象庁によると、関東北部では、この先1週間も雨の少ない状態がつづいていく見込みだとか。

ねえちゃの住んでいる長野県は、関東の隣りですが、この20年間渇水したことがないそうです。

アルプスなどの豊富な雪解け水や8つの一級水系の源流域にあるため、水資源に恵まれ、水の安定供給ができるからです。

水資源が豊かなだけでなく、水質も良く、名水もたくさんあります。

汚染の進んでいない良質の水源が確保されていれば、それだけ水道水もおいしくなります。浄水処理施設や薬品にかかる費用も少なくてすむことになります。

東京生活が長くなった私は、飲み水はミネラルウォーターに頼っていますが、ねえちゃは「水道の水がいちばんおいしい」と、決してペットボトルのを飲もうとはしません。

七夕

そういえば、あしたはもう七夕です。

七夕はもともと、天の川(銀河)の両岸にある牽牛星(ひこぼし)と織女星(おりひめ)が、年に一度相会するという伝説に基づいて、星をまつる行事。

ねえちゃの住む青木島もだいぶ夜の灯りは増えてきましたが、星を観るには、東京と比べれば格段に優れた環境にあります。

星座に詳しくない私は、散歩のついでにときおり、川中島の八幡原にあるプラネタリウムに寄って、その季節の星座の見方の“予習”をするようにしています。

牽牛星は、わし座のα星アルタイル。織女星は、こと座α星ベガ。それから、はくちょう座のα星デネブ。

これら三つの星を頂点としたのが「夏の大三角形」です。夏の星めぐりは、まずは、明るく輝くこの「三角形」を見つけるところから始めるのがいいそうです。

告示

参院選もいよいよ終盤戦へと差しかかってきました。

参院選と同じ日に投開票される、ねえちゃの故郷、下條村の村長選と村議補欠選も、きょう告示され、5日間の選挙戦に入りました。

ねえちゃは参院選よりも、むしろ下條村の選挙のほうに興味があるようです。

村内には、参院選、村長選、村議補欠選の三つの掲示板が並んで、ポスターが張りだされました。

新聞報道によると、村長選には前村議会議長の宮嶋清伸氏(51)と、前村議の金田憲治氏(69)の新人2人が立候補、8年ぶりの選挙戦になったそうです。

金田氏の辞職に伴っておこなわれる村議補選は、行政書士の村上和彦氏(77)と農業の竹村宗次氏(65)が立候補したそうです。

ねえちゃは「もしも知った人が出れば、それなりの応援はしなきゃ」と思っていたそうですが、「立候補したのは若い人が多くて、知っている人はいなかった」とか。

善光寺のセクハラ

ねえちゃが住む長野市善光寺のトップ、小松玄澄貫主が、60代の女性職員2人にセクハラ・パワハラをしたのでは、という問題が全国的に報じられています。

1400年の歴史をもつとわれる善光寺は、無宗派の単立寺院で、天台宗の「大勧進」と25院、浄土宗の「大本願」と14坊によって運営されているそうです。

住職は、大勧進貫主と大本願上人の2人。そのうち大勧進貫主は、天台宗の名刹から推挙された僧侶が務め、現在は小松貫主になります。

善光寺は、日本で仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院のため、宗派にかかわりなく宿願が可能な霊場と位置づけられてきました。

また、「大本願」は尼寺で、女人禁制があった旧来の仏教の中ではめずらしく女性の救済をになってきたことも、特徴として挙げられます。

ねえちゃも特に、2000年に無くなった「大本願」の第120世法主、智光上人には親しみを感じていました。

そんな、女性救済の尼寺でもある善光寺でのセクハラ騒動に、ねえちゃもガッカリしています。

 

熱中症

きょうは暑い一日になりました。これから、2カ月余り、もっと暑い日々がつづくかと思うとウンザリしてきます。

最近でも、朝方などについ床暖房を入れることも多かったねえちゃですが、さすがにきょうは「暑かった」そうです。

人のからだは、皮膚からの放熱や発汗によって体温を下げますが、外気が皮膚温以上になったり湿度が非常に高いと放熱や発汗ができにくくなり、熱中症を引き起こしやすくなります。

今年は暑い夏になりそうだ、といわれていますが、異常な熱波に見舞われた年には、高齢者を中心にたくさんの熱中症患者が発生するのが常。心配です。

熱中症にならなためにねえちゃは、夏はなるべく外へ出ない、出るときは必ず水筒を持っていくことにしてます。

きょうは夕方、しばし散歩に出かけたそうです。「ちゃんと水筒は持っていってるから」と、いまのところはちゃんとやっているようです。

音楽

ねえちゃの家の戸棚から、しまってあった尺八の通信講座やオカリナの教室のテキストや楽器が出て来ました。

尺八のほうは、5年前に死んだねえちゃの連れ合いが申し込んだようですが、練習したり課題を提出した形跡はほとんどうかがえません。

オカリナのほうは、20~30年前、ねえちゃがオカリナ作りをしたり、吹いたりする教室へ通っていたときのもののようです。

今ではすっかり忘れてしまったそうですが、それなりにがんばって勉強していたようです。

ねえちゃは決して音楽が嫌いというわけではないのですが、人前で演奏したり、歌ったりということは好みません。

いつか、「老人ホームなど施設に入りたいなら、カラオケで一曲くらい歌えるようにしといたほうがいいんじゃない」と言ったことがありますが、それ以来、施設へ入りたいとは言わなくなりました。

意地悪ばあさん

きょうは、歯医者の日。私のほうで、ねえちゃと2人分の予約を取っていました。
ねえちゃは、入れ歯を入れて1カ月後の点検です。
1人だと予約をすっぽかしてしまうので、いっしょに通うことでなんとか通院して来たのです。
きょうはパジャマを着替えて、1時間前まで行くつもりのようでした。
が、直前になって、ねえちゃは勝手に歯医者さん電話して「予約をキャンセルした」と言うのです。
聞けば「体調が悪くて一歩も動けない」のだと、いつもの“直前キャンセル”の理由を繰り返します。
「こっちは一人でも行くつもりなのに、何で無断でそんな勝手なことをするんだ」と頭にきて、手を引いて連れて行こうとしますが、頑なに拒みます。
仕方なく「私ひとりだけでなんとか」と歯医者さんにお願いして、診療しました。
ところが私が戻ると、ねえちゃはひょこひょこと近所に出かけて行っていて、世間話に長々と花を咲かせているのです。
「体調が悪くて動けないんじゃなかったの?。ふざけるな」。
ボケが進んできたとはいえ、“意地悪ばあさん”的な言動がさすがに癪に触って怒鳴りつけました。

 

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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