Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する記録です

鑑定団

日曜日の昼、たまにチャンネルを合わせる「なんでも鑑定団」で、長野県の長和町で収録された回の放送をやっていました。

ねえちゃは骨董品には興味がありません。それに、これといって財産になりそうな美術工芸品も、ぜんぜん持っていません。

けれど、番組で「蔵の奥にしまわれていた」とかいう話が出てくると、昔ながらの農家で、23歳まで過ごした実家のことをいつも思い浮かべるそうです。

決して財産家ではなかったようですが、十くらいの部屋に土蔵とかもあって、長年暮らしていても、広くてどこに何があるのかよくわからなかったとか。

ねえちゃのお父さんは、料理が上手だっただけでなくいろんなものに興味を持っていて、行商の人が珍しいものを持って来ては置いていったような記憶もあるといいます。

実家はきれいに改修されていまも“健在”ですが、いまは常時住んでいる人はいません。

「高価なものはないだろうけど、奥のほうの座敷とかに何か残ってたものがあるのかもしれない。あそこの家がなくなる前に、掛け軸の一本でもいいから見ておきたいな」と、ふと口にしました。

 

 

信州蕎麦

最近、スーパーへ行くたびに、ねえちゃは次々パンを買って来るので、食卓はパンであふれかえっています。賞味期間が切れたり、硬くなったりしてきたのも増えてきました。

だから、もうパンを買って来るのはやめたら、というと、きょうはおやきと生蕎麦をスーパーで買ってきました。

“なす”、“やさい”、“野沢菜”など、おやきは、副食として夜食として、ねえちゃにとってはすっかりなじんだ定番となっています。

ですが、信州人なのに意外にも、ねえちゃは、蕎麦はそんなに好きではなかったそうです。

信州でも地方によって食文化はかなり違っているようです。長野県南部で農業を営んでいたねえちゃの実家では蕎麦を作っておらず、年越しそばの習慣もなかったそうです。

蕎麦を食べるようになったのは、5年前に亡くなった夫と結婚してから。大の蕎麦好きだった群馬出身の夫の影響で、しばしば蕎麦を作り、年越しには蕎麦を必ず準備するようになったそうです。

いまでは、孫たちがやってきたときなど、しばしば、いっしょに戸隠へ食べに行ったりしています。それでも、おやきやパンに比べると、蕎麦はイマイチなじみが薄いようです。

試運転

落ち込んだときや何もする気にならないとき、家のなかや部屋の家具などの並び替えや整理、お掃除などをすると気が晴れることがあります。

いつもなら一日中パジャマのねえちゃが、きょうは身支度を整えて、居間、仏間、廊下、階段などなどガアガアと掃除機をかけて回っています。

きのう買った細長いほうきのようなに掃除機、スティッククリーナーを試してみたくてじょうがなくなったようです。

使い心地はどんなものか。ちょっぴりドキドキの試運転です。

いざスイッチを入れてみると、思いのほか音が大きくて家全体に響きます。細長くて小さい割には、がっしりしていてけっこう重い。

「だけど、そのぶん古いのと比べて吸い込む力もすごく強力。大きい掃除機を使わなくてもこれ一本で家じゅう大丈夫そう」と、ねえちゃは新しい赤い掃除機に満足そうです。

掃除や片づけが大好きなねえちゃ。久しぶりに家じゅう、隅々まで掃除機をかけて、気分のほうもすっきり晴れ晴れのようです。

 

掃除機

きのうは、ねえちゃには珍しく、忙しい一日でした。

電気屋さんが来て掃除機を取り替えたり、互助会の人が担当者が変わったからと訪れたり。

さらには宅急便が届いたかと思えば、いつもの宅食。近所の人が温泉旅行のお土産を持ってきてくれたりもしました。

きれい好きのねえちゃの家には、掃除機が3台もあります。何でも吸い取れる大型掃除機と、小型のタイプ。

それから、主に自分の部屋の掃除に使っている、ほうきのように細長いスティッククリーナーです。

独り暮らしになってから、大型の出番はあまりなくなりました。それに、愛用していた“ほうき型”のは、このところ充電機能が低下して、いくらコンセントにつないでおいてもすぐに使えなくなってしまうのだそうです。

それで、長年お付き合いのある電気屋さんから、新しいスティッククリーナーを買ったのです。

今度のは、ねえちゃ好みの赤い色。カーテンのほこり取りや狭い隙間の掃除などに便利なハンディクリーナーもくっ付いています。

「この前のより重い」「小さいのに3万5千円もした」など、やや不満もあるようですが、これで日課のお掃除が存分にできると、うれしそうです。

いとこ

今夜、千葉県に住む従兄から電話がかかってきて「久しぶりに元気な声を聴くことができた」と、ねえちゃはご機嫌です。

この従兄は、千葉県へ移住して、落花生栽培などで大成功をおさめ、神社を建てるほどの地域の名士となったという、一族の出世頭なのだそうです。

毎年、11月ころになると、ねえちゃのところにこの従兄から収穫されたばかりの落花生がたくさん送られて来て、私もご相伴にあずかっています。

もう一人、長野県の千曲市に住む従妹がちょくちょく、ねえちゃの家を訪ねてくれます。福祉関係の活動をしていて、障害者のかたといっしょのこともあるそうです。

従妹は、先年亡くなった私の小学校時代の恩師とも顔見知りで、同じような考え方でともに活動してきたようです。

恩師は若いときに教職を辞めて、共産党系の市会議員として活躍しました。いまは、その娘さんが父の志を継いで、政治の世界にチャレンジしています。

この夏の参議院選にも、立候補する予定でがんばっている様子。従妹や恩師との関係から、ねえちゃも、この娘さんのことをそれとなく応援しています。

 

二人分の予約

きょう、私がパンを食べていたところ、奥歯がガリッとって欠けて詰め物といっしょに取れてしまいました。

歯医者さんに行かなければならなくなったわけですが、ふと、「3勝4敗」で、なかなか歯の治療が進まない、ねえちゃのことが頭に浮かんできました。

長野へ行ったときに、ねえちゃといっしょに歯医者さんに通うようにすれば「勝率」も上がっていくのではないか?

でも、そうすると、ねえちゃが自分一人でやれることがまた一つ減ってしまいます。このところ、しばしば感じるジレンマです。

なるべく、一人でできることは一人でやったほうが、「頭の体操」になると思うのですが、そうすると近所の人たちに迷惑をかけることも増えていきます。「だいぶ進んで来ましたね」といった声も、近しい人から聞かれるようになりました。

なにもかも人頼りになってしまえば、もはや自立した生活は無理。老人ホームや専門の施設で暮らす道を見つけるしかなくなるのでしょう。

あれこれ考えたうえで結局、来週、月曜日の午後に、「二人分」の予約を入れました。とにかく、ねえちゃといっしょの歯医者さん通いをひとつ試みてみようかと。

月曜日の「仕事」

ねえちゃの家のカレンダーには、どの週も、月曜日のところに「15時生協」と赤いマジックで記されています。

月曜日の午後3時には、家にいるようにして、生協から届けられる食品などを受け取り、次の週の注文票を渡す。それが、ねえちゃの大事な「仕事」なのです。

昨夏、生協の宅配サービスを自分で契約して、銀行の口座引き落としの手続きもしました。ですが、ねえちゃはそのシステムがよく分かっていないようです。

月曜日の夕方、「生協のひと来た?」と電話をすると、たいてい「えっ、そんなひと来ていない。きょうは誰とも会ってない」といった返事がかえってきます。でも、それは忘れているだけのようです。

マークシートのような注文用紙に必要なものを記しておいてやれば、それをいつもの担当の女性に渡して、代わりに、コメとか、ティッシュペーパーとか、酢だこ、イチゴ、アイスクリームとか、前の週に頼んだ商品をちゃんと受け取っています。

そして、コメは米櫃の隣に、アイスクリームは冷凍室、イチゴは野菜室などと、それなりに選別してちゃんと保存しています。これだけ自分でちゃんとやっても、それをすぐに忘れてしまう、いや、ぜんぜん覚えていないのです。

玄関に誰かが来たら、相手の話に応じて受けこたえするだけ。それが誰なのか、どういう用事で来たのかといったことは、少しも頭に残らない。毎週、ちゃんとやっている「仕事」があるのですが。

負け越し

金曜日に歯医者さんにいったのかを知るために、ねえちゃが探していた診察券がやっと見つかったようです。

診察券の裏にある予約の日付の末尾は「3月15日16:00」となっている、といいます。もしも診療に行っていたら、新たな予約日を書いてもらっているはずですから、歯医者さんには行かなかった可能性が高くなりました。

残念ながら、これで3勝4敗。負け越しになったみたいです。また、予約をより直さなければなりません。

15日の午前中には、従妹が家を訪ねて来ました。「午後に歯医者さんへ行かなければならないから」と、ねえちゃは従妹に午前にしてもらったのです。

ですから、きっと、この日も直前まで歯医者に行く気でいたにちがいありません。が、忘れてしまったのか、行きたくなくなったのか、いつものように急にやめてしまったようです。

最近のねえちゃにとって1日に二つ以上のイベントをこなすのは、極めて困難になってきました。

お嫁さんのお母さんが、なかなか快適な施設に入ることができた、といった話を聞いて、「入れてくれるところあれば、入りたいな」と弱気なことばが、最近はよく聞かれるようになってきました。

歯医者さん、行った?

ねえちゃが送ってくれた日本郵便の「ゆうパック」、1日遅れてやっと届きました。

日本郵便では、とんかく「まじめ」を売りにしたテレビCMをさかんに流していますが、ねえちゃによると今回荷物を取りに来たのは「ぜんぜんやる気のなさそうなヘンなオジサン」だったそうです。

近所の郵便局の人たちが愛想いいので、できるだけ「ゆうパック」を利用しようかなとつとめてきましたが、やはり“親方日の丸”体質は抜けないのでしょうか。ガッカリ。

それはともかく、きのう、ねえちゃが4回目の診療に行ったはずの歯医者さん。

きのうの夜、電話をかけたときには「行ってきた」と言っていたのに、きょうになると「行ったかな。どうだったっけ?」と分からなくなっていました。

「そんなこと、こっちに聞かれたって。診察券に次の予約日が書かれていれば行ったのだし、日付がなければ行かなかったってことでしょ」

ところが今度は、診察券を探しても、見つからないと言います。「とにかく、どっかにあるはずだから、明日までに探しといて」と電話を切りました。

ねえちゃの歯医者さん通いは、これまで3勝3敗。診療を3回受けましたが、3回は直前に嫌になって行きませんでした。ですから、治療はなかなか進んでいません。

きのう行っていれば4勝3敗で勝ち越し、行っていなければ3勝4敗で負け越し、という今後を占ううえで重要な局面に差しかかっているのです。果たして、どっちだったのか?

領収書ノート

最近「領収書ノート」というのを、ねえちゃは作りました。その日にスーパーでもらったレシートとか、新聞や宅食の領収書など、あれこれ張り付けておくノートです。

散歩の帰りなどに最寄りのスーパーに寄ると、ねえちゃは、パン、納豆、イチゴなど、いつもだいたい同じものを買って来るのが習慣になっています。

それで、食べずにまだ家にいっぱいあるのに、同じようなものをまた買ってきてしまって、台所や冷蔵庫がいっぱいになってしまうのです。

週に1度集金されることになっている宅食にしても、今週はお金を払ったのか払ってないのか、分かるらなくなってしまいます。

そういうのをちょっとでも防ぐことができればと、何を買ったか細かく明細が書かれたスーパーのレシートその他さまざまな領収書を、片っ端から1冊のノートに張っ付けておいて、きのう何を買ってきたのかとか、今週分のを払ったかどうかとかを確かめようというのです。

領収書を貼るのが習慣になってきたかな、と思うと、忘れる日がつづいてしまったり。いまのところ、このノートに効果があるかどうか、微妙な状態にあります。

きのう、ねえちゃに宅急便を送ってもらったはずなのに、いつもなら届いているはずのきょうになっても着きません。ノートに貼っておいてほしかった「荷物番号」が入った領収書も、どこかへ行ってしまって無いというので荷物がどこにあるのかの追跡もできません。ああ、困った!

 

松井潤
matsuijunta@gmail.com
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