Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する記録です

クレジット決済

電気、電話、生協、デイサービスなど、ねえちゃの家のお金のやり取りのほとんど銀行口座の引き落としかクレジット決済にしてあります。

ただし、それだとお金の使い方を忘れてしまうのはと思い、平日の毎日届けてくれるワタミの宅食についてはこれまで毎週、現金で集金してもらってきました。

でも最近のねえちゃは、どこに何を払っているのかさっぱり分からないままに、「お金を」といわれれば言われる通りに払っています。

それだけならまだしも、週に1回の集金ですでに払っているのにもかかわらず、請求されなくても毎日のように「お金はいいの」と言っています。

「担当者がいい人だからいいけど、そうじゃなくて毎日お金を払っていたらすぐに破産しちゃうよ」と忠告するのですが。

きょうは集金だからと、朝、それに見合ったお金をテーブルの上にそろえて準備しておいても、いざとなるとあわてて戸棚の奥から1万円札を取り出して来て支払いを済ませ、それもすぐに忘れて、たくさんあるはずのお釣りがどこかにやってしまうこともしばしばです。

そんなこんなで、いたしかたありません。なんとかお金のやりとりを続けてきた宅食についても、次の週からクレジット決済へと切り替えることにしました。
 

夫の名前

テレビのニュースなどで、東日本大震災についての特集番組がさかんに放送されるようになりました。

あれから、もうすぐ6年です。ねえちゃにとっても、あれからちょうど6年、になるはずです。

地震の被害を直接こうむったわけではないねえちゃのにとっての「あれから」は、夫の命日です。

ちょうど大震災が起こったころ病院で危篤状態になり、3日後の3月14日に亡くなりました。

家族にとっては、そういう意味でも東日本大震災は忘れられない出来事となっています。

去年までは、震災のころに夫が逝ってしまったという記憶がどこかにあったように思うのですが、今年は「震災のころ何してたの」といってもまったく忘却の彼方に飛んでいってしまったようです。

命日どころか、「どこで死んだの?」「どういう病気だったの?」「いくつだったの?」と聞いていっても、考える拠り所も見いだせないという感じで、ただ「分からない」とこたえるだけです。

さらに、「おじいさんの名前は覚えている?」と聞くと、「それくらいは」といいながらも、しばらく考えて名前を口にしました。

連れ合いの名前を、来年の命日まで覚えていてくれるだろうか? 心配になってきました。

昼寝

きょうは、デイサービスの日。朝はイマイチ乗り気でなかったねえちゃですが、お嫁さんの電話でその気になったようです。

「きょうは何したの」と聞くと、「お昼寝をした」。他に、お風呂に入ったことは覚えていますが、あとは記憶が混沌としているみたいです。

「なにか、二つくらいのグループに分かれて、いろいろ喋ったような、夢だか何だかボワーッとしてるのは残っている」といいます。

適度の昼寝をすると、午後の仕事や勉強の効率が高まります。それだけでなく昼寝には、アルツハイマー病の発症リスクを抑えたり、昼寝をすると高齢者の血圧がかなり下がるという報告もあるそうです。

家にいるときねえちゃは一日中パジャマ姿で、昼間でも起きているのか寝ているのかよくわからない生活を送っています。デイセンターで、メリハリのある昼寝が身につけばいいのですが。

いびき

ねえちゃは、ふだんは午後7時までには夕食を済ませ、風呂に入って、9時前には床につきます。

昼間もずっとパジャマ姿で寝床に居ることが多いので、長い夜、ぐっすり寝られるのだろうかと心配になります。

けれど実際には、たいていグゥーグゥーいびきをかいて、気持ちよさそうに眠りつづけてます。

いびきは、睡眠中にのど(気道)が狭くなって、空気が通る時にのどが振動して音が鳴る状態のことをいうのだとか。

いびきといえば、ひどいいびきをかいたり睡眠時に無呼吸状態が続いたりする人は、治療の結果障害のない人にくらべて、だいたい10年ほど早く認知症を発症していた、という調査結果もあるそうです。

ねえちゃが睡眠中に、10秒以上呼吸が止まってしまう無呼吸状態がたくさん起こる睡眠時無呼吸症候群だったとは思われませんが、昔からいびきはけっこうかいていた可能性はあります。

ともあれ、認知症になってしまったいまとなっては、いびきをかこうがどうしようが、ぐっすり眠れることができれば、それに越したことはありません。

ヘリ墜落事故

「ああ、生きて人いないんだろうか。松本じゃあ、大変だね」。一面から社会面までびっしりと埋まったヘリコプター墜落事故の今朝の記事を見て、ねえちゃはもらしました。

松本市の山の斜面に、山岳遭難の救助訓練をしていた県の防災ヘリコプターが墜落。けっきょく、乗っていた働き盛りの消防士ら9人全員が亡くなりました。

ねえちゃの連れ合いは、堰堤やダムをつくったりする治山治水事業に携わっていたので、ヘリコプターに乗って仕事をすることもしばしばありました。

それだけに、ヘリの事故と聞くとさすがに、ニュースにほとんど興味を示さないねえちゃにもビビッと来るものがあったみたいです。

消防防災ヘリコプター墜落事故で死亡したパイロットの岩田さんは、困難な山岳救助に長く携わった熟練者で、「ジェット岩田」と慕われていたとか。

私も以前、きのうまでいっしょに仕事をしていた同僚たちをヘリコプター事故で一瞬のうちに失い、たいへんな衝撃を受けた経験があります。

「ヘリコプター」の名前はギリシャ語の「螺旋 (ヘリックス)」 と「翼 (プテロン) 」に由来しているそうです。狭いエリアや複雑な地形での活動に力を発揮しますが、それだけに、いつもリスクと隣り合わせ。亡くなったかたたちのご冥福を祈ります。

着信履歴

ねえちゃは電話がかかってきて、それを受けても、話したことも、相手が誰かも、その瞬間にみんな忘れてしまいます。

忘れてしまうというより、最近は頭に入らなくなって来ているようにも思われます。だから、何らかの意思疎通を電話でやり取りすることが、出来なくないのです。

電話の「着信履歴」を見ると、最近、旅行の誘いなどの連絡をよくくれていた友人から2度つづけて、着信があることが分かりました。

「**さんから電話があったの?」と聞くと、「ない」と断言します。でも、ねえちゃが出たかどうかは分かりませんが、ウチヘ2回かかって来ていることは確かです。

そのうちに夢かうつつか定かでないけれど、電話が来たように気もすると言い出しました。

「じゃ、どんなこと話したの?。もし、何かの約束だったら困るでしょ」と聞いても、やはり確かなことはぜんぜん覚えていません。

電話をくれたかどうかの確認の電話をしても、それをしたこと自体を即座に忘れてしまい、何度も何度も確認電話を繰り返して混乱を招く、という事態がしばしば勃発してきました。

こうなってくると常時「留守番電話」にしておいて、家族以外には電話に出ず、その録音からやりとりを判断していくしかないか。そんなふうに考えるようになってきました。

楽しみなアイスが……

お風呂上りに、アイスクリームを食べるのを生きがいの一つといってもいいくらい、ねえちゃは楽しみにしてきました。

なので、棒にくっついた小さめのが10本ほど入ったのを2箱ほど、いろいろ種類を変えて、毎週、生協に注文しています。

ところが、最近、冷凍室に入っているアイスクリームがあまり減っていきません。だから、注文も1箱に減らしました。

寒い季節なので、あまり食べたいという気が起こらなくなってきているからなのか。

食欲はますます旺盛で最近はたいていご飯を3杯は食べるので、お腹がアイスを必要としていないからか。

以前は毎日入っていたお風呂なのに、「きょうは入る気分にならない」と2、3日休むことがしばしばみられるようになったからか。

いろんな原因が考えられそうです。
 

「女の先生だったよね」

きょうの午後は、まだ少し風は寒いけれど、スッキリと晴れ渡った好天。ねえちゃと、予約しておいた行きつけの歯医者さんに行きました。

家並みを抜けて、ガヤガヤと子どもたちの話し声がもれだしてくる小学校のカドを通って、歩いて10分ほどです。

ねえちゃの診察が先で、入れ歯の調整や洗浄、それから歯垢もきれいに取ってもらいました。

「すぐに治さなければならないところはないけど、口の中きれいにするため月に1回ぐらい来られたら」と先生。

私の診療しているあいだ、いつもならぶつぶつ何か口にしながら落ち着きなく待っているのですが、きょうは何と思ったか週刊誌に眼をやり、落ち着いて待合室に座っていました。

とはいえ家に帰りつくと、「どこへいって来たんだったっけ?」。「ハア、歯医者さんだろ!」。

「エ~ッ?、女の先生だったよね」と、いつもの思い込みを繰り返します。

「ちがうでしょう。いま診てもらったばかりなのに、なんで間違えるの」。

もう何十回も通っているのに、名前どころか、歯医者さんの性別も頭にとどまっていません。

ゆうパック

郵便局へゆうパックを出しに行ったら、「5ポイント貯めると金の貯金箱がプレゼント」というカードをくれました。

3月から5月末までに、ゆうパックを郵便局から出すと1個について1ポイント。5回出せば、もらえるというわけです。

写真を見るとちょっと笑いをさそいそうな、まさにキンキラキンでずんぐりむっくりの貯金箱。新潟県・長野県限定のプレゼントだとか。

宅配業界では、ネット販売市場の拡大などで人手不足やドライバーの長時間労働が深刻化しているようです。それだけに、郵便局にとってはいまはシェアを広げる絶好のチャンスなのかもしれません。

長野のねえちゃと東京の私では、しょっちゅう荷物のやり取りをしています。以前は、ヤマトの宅急便が多かったのですが最近は、「同一あて先割引」というのに魅かれて通常「ゆうパック」を利用するようになりました。

郵便局の“バカまじめ”のCMではありませんが、「いかにもまじめそうな配達の人」が届けてくれるそうで、ねえちゃも好感を持っています。

春到来

きょうから3月。いつの間にか、道端にあった雪もほとんど融けています。

ねえちゃは、デイサービスセンターの日です。

「センターできょうは何したの?」と聞くと、「大きなお風呂に、入っていたのは二人だけだった」。

いつものように、お風呂へ入ったことしか記憶に残っていないようです。

みんなで昼食をとり、レクリエーション、ストレッチ体操、脳トレなどいろいろやったはずですが……。

通うのはだいぶ習慣になってきたものの、まだちょっと緊張感があるのかな、という気がします。

テレビで、小諸市の懐古園で、春の訪れを告げる福寿草が見ごろになっている、というニュースが流れていました。

城跡の公園に咲いた黄色い花の映像を見て「きれいだね」とねえちゃ。自宅のちっちゃな庭の隅っこでも、チューリップが芽を出したといいます。
 
松井潤
matsuijunta@gmail.com
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