Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する記録です

新竹の子

ねえちゃの甥が、取り立ての竹の子を、買ったばかりだというピカピカの新車で、とどけてくれました。実家の山できのう掘りに行ったのだそうです。大小10個近くあります。

戦後、竹材需要が減って、竹林が密になって荒れるとともに人が入らなくなった里山や休耕田などに広がっていく傾向にあるそうです。

竹の子にはセルロースが多く、動脈硬化や大腸がん、高血圧の予防、さらには、切ったときに節や切り口にでる白い粉のチロシンは新陳代謝を活発にして、脳を活性化する働きもあるとか。

ねえちゃは、さっそく隣近所におすそ分けをしたあと、頑張って竹の子の煮物を作りました。ややしょっぱかったですが、ありがたくいただきました。

ごみの少なさ日本一

宅食や生協の配達が、ほぼ習慣的になり、支払いも銀行の引き落としになったいま、ねえちゃのほとんど唯一の仕事は、ゴミ出しということになりました。

長野県は、ごみ排出量の少なさランキングで2年連続日本一です。

環境省の発表では、平成 27 年度実績の1人1日当たりのごみ排出量は、①長野県836g、②沖縄県841g、③滋賀県843gの順で全国平均の939gを大幅に下回っています。

長野県は、平成 26 年度実績と比べても2g減っているそうです。食べ残しやレジ袋を減らしたりするほか、資源物として再利用する取り組みが効果を上げてきているのでしょう。

「収集カレンダー」を眺めてみても、一番目のつくところに「資源物(リサイクルするもの)」があって、プラスティック製容器包装、紙、缶、ビン、剪定枝葉、ペットボトル、乾電池など、処理の仕方が細かく記載され、収集日もそれぞれ分かれて細かく決まっています。

ねえちゃも「ゴミいつだったっけ」と毎日のように口にしながら、「紙をしばるときはガムテープを使わずひもで」とか、「ペットボトルはゆすいで軽くつぶしフタとラベルをはずして」とか、規則をきっちり守ろうと、やれるだけの努力はしているようです。

連休疲れ?

「あした竹の子を掘りに行こうと思ってるけど、取れたらねえちゃのとこへ持っていこうかどうかと思って」と、親戚から電話がありました。

ねえちゃは最近、料理らしい料理をすることはなくなったので、竹の子をもらって果たして何か作れるかどうか?

持って来てもらえれるのはありがたいことですが、最近はそのあたりが微妙になりつつあります。

「バカんなっちゃって、何にもやる気が起こらない」と、ねえちゃはあまり元気がありません。

「連休疲れじゃないの」と聞くと、「バカんなっちゃって、疲れるようなことなんにもしてない」と応じます。

会話

「頭がおかしくなっちゃって、何だかわからなくて。一日寝てた」

3日ぶりに電話をすると、ねえちゃはいつものようにそう言います。

「きょうの朝は可燃物のゴミに日だったはずだけど、出した?」――「うん、出したと思うけど……」。

連休中には、次男夫婦がねえちゃのところを訪れました。

「どこかへ行ってきたの?」――「お墓へ行って来た」

「どうだった。楽しかった?」――「行ったことは覚えてるけど、どんなだったか寝たらみんな忘れちゃった」

「ほかには、どっかへ行ったの?」――「どこかへ行ったかな? どこかで何か食べたような気もするけど……」

「孫のこととか、どんなことを話したの?」――「何か話したかな? ぜんぜん覚えてない」

「明日は資源ゴミを出す日だったっけ?」――「かもしれないけど、特に出すものはないと思う」

「ネットでゴミの収集カレンダーを見つけたから、月曜日にプリントアウトするよ。じゃね」
 

ナゾの暗証番号

このあいだ、ねえちゃがずっと取っている信濃毎日新聞の担当者の人が、最後の集金に来ました。といっても、新聞をやめるわけではありません。

現金でのやり取りが困難になってきたので、銀行での引き落としに変更したのです。宅食なども、クレジットカードでの支払いに変更しました。

これで、スーパーとか、美容院とかの支払い以外で、現金のやり取りすることは無くなりました。

4桁の暗唱番号を忘れてしまって、クレジットカード会社に問い合わせていた回答のハガキも、送られてきました。

ところが、その番号を見ても、何でその数字にしたのか、ぜんぜん覚えがないといいます。何かの記念日とか、電話番号とか、番地とか、とも違うようです。

ずいぶん前になるはずですが、ねえちゃが何を思ってその番号にしたのか、どういうきっかけで決めたのか、ナゾのままです。

WHO

世界保健機関(WHO)が、各国に、認知症の人に優しい社会づくりを促す「行動計画案」を策定したそうです。特定の病気に関してWHOが行動計画をつくることはめったにないことだとか。

行動計画案は、社会啓発、リスクの軽減、診断、介護者支援、研究など7分野の対策を各国に求める内容で、2025年までに、194の加盟国の75%が国家戦略を策定する、すべての加盟国は認知症の人に優しい社会を作るための啓発キャンペーンをする、受診率の向上などを目標にしています。

WHOの報告書によると、世界の認知症有病数は現在、約3560万人に上り、2030年までに2倍の6570万人、2050年までに3倍の1億1540万に増えると予測されているそうです。

認知症は毎年770万人ずつ増え続け、半数以上は低・中所得国に集中し、この割合は2050年までに70%以上に上昇するとみられています。また、認知症の治療や社会的損失のコストの総計は、1年当たり50兆円(6040億USドル)以上にのぼるとか。

それでも日本のオレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)のように全国規模で認知症対策を適切に対処するプログラムをしている国は、世界に8ヵ国しかないということです。

認知症というのは、誰かに特別なものではなく、世界のだれもがかかわり試行模索していかなければならない、身近で、遠い、人類の課題なのでしょう。

5月場所

奇跡の2連覇を果たしたものの、春場所中に左腕などを痛めた稀勢の里は、きょうの横審の稽古総見には姿を見せなかったそうです。五月場所に出場できるかどうか、心配されます。

長野県の期待の星、東小結の御嶽海も、春巡業中に申し合い稽古で左手を痛め、実戦的な稽古が十分にはできない状態がつづいているそうです。

御嶽海は、春場所では9勝6敗。5月場所では、2場所連続3度目の自己最高位で戦うことになります。

ねえちゃのお姉さんは、大相撲が大好きで、本場所中はテレビから目を放すことはありません。

共通の話題があれば電話をしても話がはずむから、と場所が近づくと相撲を観ることをいつもすすめるのですが、興味を持とうとしません。

さて、14日初日の5月場所。稀勢の里や御嶽海の活躍は? そして、ねえちゃは少しは相撲を観てくれるでしょうか?

善光寺地震

認知症になったからかどうかは知りませんが、ねえちゃは、震度2とか震度3とかの地震が近くで発生しても「揺れた」ことに気づきません。でも、長野のこのへんもけっこう地震が起こるところだという意識は持っています。

善光寺地震からもうすぐ170周年になるのを節目に催し物があるという新聞記事を見にしました。

善光寺地震は、1847年5月8日(弘化4年3月24日)、善光寺平を震源として発生しました。マグニチュード7・4と推定されるた活断層(逆断層)型の地震です。

飯山市常郷付近から長野市大岡にかけて、50~60kmに渡って断層が動いたと考えられています。長野、権堂村、妻科村、稲荷山、牟礼、野尻など全震災地を通じて、死者8,600人以上に及んだといわれています。

善光寺のご開帳の期間にぶつかったため、諸国からの参詣客が宿泊していた旅籠街のあちこちで火の手が上がり、3日間延焼し、善光寺の如来堂、鐘楼、山門は焼失を免れものの、市中のほどんどの家屋が倒壊・焼失、市中だけで約2500人が犠牲になったそうです。

地震の後、「死にたくば信濃へござれ善光寺 土葬水葬火葬までする」といったドキッする狂歌が作られたほか、地震から8年後の1855年に、母を伴って近くを旅した幕末の志士、清川八郎は「善光寺の町はさすがに復旧が進んでいるが、他は未だ寂しきありさま」と書き残しています。
 

青雲

「きょうは買って来るから」といながら、買うのを忘れてつづけてきた線香。ねえちゃは、「切らしてしまって死んだおじいさんに悪いな」と気が気でないのに、また忘れ、を繰り返してきました。

「そんなんだったら、ネット通販のほうが早いでしょ」と、きのう注文しておいたのが、今朝とどきました。

いつもは煙がたくさん出る「毎日香」ですが、「たまには煙が少ないのにしたら」ということで、「青雲」にしてみました。

どちらも、創業は天正年間にまでさかのぼるという日本香堂の製品ですが、1909年に発売されて、明治、大正、昭和、平成と愛用されてきた「毎日香」に対して「青雲」が誕生したのは、半世紀前の1965年ということです。

「時代とともに歩む若々しく明るいお線香を」という夢を乗せて生まれたという、富士山に青い雲のパッケージの箱に入った、紺色のお線香。

ねえちゃにとっては煙の量や香りはどうでもよい様子ですが、とにかくホッとして、さっそく仏壇で焚いていました。

フキとゼンマイ

きょうの晩ご飯は、庭で取れたというフキと、近所のかたからもらったゼンマイです。

ねえちゃがめずらしく、ちょっとだけ料理をしました。

フキは煮込みに、ゼンマイはゆでてお浸しにして、花かつおをかけました。いちおう、アク抜きもしたようです。

フキはやや硬めでしたが、ゼンマイはサクサク感があって、まさに春らしいさわやかな味わい。おいしかったです。

「山で採るフキはやわらかいんだけど、やっぱりウチのちょっとしたところに生えるのは硬いんだよね」とねえちゃは繰り返し言っていました。

松井潤
matsuijunta@gmail.com
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