Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する記録です

新しい薬へ

きょうは、降水確率ゼロの快晴。ねえちゃは、少し汗をかきながら、掛かりつけの脳神経外科まで歩いていきました。

先生の話では、このあいだの血液検査の結果は腎臓などに特別問題はなかったので、薬を増やしても大丈夫とのこと。

徐々に進んできているのが分かるので、さっそく、新たに「メマリー」という新しい薬を処方してもらうことにしました。

メマリーは、1日1回20mgをのみ続けることで効果が期待できる薬だそうです。飲み始めるときは、体を慣らすために、1週間ごとに薬の量を増やしていかなければなりません。

まず、きょうから最初の1週間は5mg、その後1週間ごとに10mg、15mg、20mgと増やしていきます。

ですから、これから1カ月弱は、毎週、お医者さんに通って診察を受けなければなりません。

ねえちゃは、一人では病院へ通うことが出来ないので、私が連れていける日程を何とかやりくりしなければならなくなってきました。

パジャマはダメ!

夕方、ねえちゃのところへ行くと、いつものようにパジャマ姿で「ほんとバカになっちゃって、なんだか分からない」と、いつものように繰り返します。

おみやげ渡すと、いつも美容院などに連れて行ってくれているご近所の奥さんのところに出かけて行きました。言うことを聞かず、最近はご近所に行くときもパジャマのまんま出掛けるようになっています。

奥さんのところに行って「バカになっちゃて困る」と言うと、「そんな格好でいるからだよ。朝になったらちゃんと着換えなきゃダメ」と怒られたそうです。

最近、私がいくら怒っても言うことを聞かなくなってきていますが、近所のかたから注意されるとさすがにねえちゃも少ししょげたみたいです。

「あしたから朝になったらちゃんと着替えること!」「そうしないと、付き合ってもらえなくなるんだよね」

一人でない散歩

きょうはデイサービスの日です。センターから帰ってきて、ねえちゃの記憶に残っているのはお風呂に入ったこと。それから、きょうはみんなで近くを散歩したのだそうです。

以前は、一日一回、散歩をするのがねえちゃの日課でしたが、道を忘れて帰れなくなるようなことが起こるようになりました。

最近は、外へ出かけると、自分でもよくわからず拾い物をしてきたりすることもあります。散歩から徘徊へとシフトしてきているようです。

「散歩」という名前は、むかし中国の貴族や文化人の間ではやった「五石散」という滋養強壮薬に由来するとか。この薬を飲むと体が熱くなる(散発)が、散発がないと体に毒が溜まって害になるとされていたそうです。

そこで、散発を促すように歩き回るようになった。つまり散発のために歩くことを散歩というようになり、これがただ歩くことに拡張して使われるようになったというわけです。

ともかく、これからは、デイサービスとか、お隣の犬の散歩に便乗させてもらったりとか、一人で行かない散歩に切り替えなくてはならなくなりそうです。

日本一の働き者

2015年国勢調査の「就業状態等基本集計」によると、長野県内の65歳以上の高齢者の就業率は、都道府県別で最も高い28.7%だったそうです。

信州の高齢者は日本一の働き者、というわけです。10年の前回調査も、1位で2.0ポイント上昇したとか。

15年10月時点の県内の高齢者は62万6085人で、うち就業者は17万9678人。

高齢者の就業率は、全国平均は22.5%で6.2ポイントも上回りました。

「中小規模の農家戸数が多く、高齢になっても働く人が多い」ことなどが原因としてあげられるそうです。

ねえちゃの姉は90歳を過ぎても毎日畑に出るそうです。

が、ねえちゃは、病気をかかえた連れ合いの世話をしなければならなかったこともあって、高齢者になってからは外へ出て働いたことはありません。

食料の曜日

月曜日は、ねえちゃがその1週間なにを食べるかという意味では、大切な日です。

正午少し前に、ワタミの宅食の女性担当者が黒いパックに入った夕食のおかずといっしょに、その週のおかずのメニュー表を届けてくれます。

「いつも会えてうれしいわ、今週もよろしくね」と、ねえちゃは愛想よくおかずを受け取っています。

午後3~4時の間に生協の担当者が、前の週に注文しておいた1週間分の食料品を届けてくれます。最近、担当者の人が女性から男性に変わりました。

「生協」が届けられると、担当者に言われた通り「これは冷蔵」「これは冷凍」「これは常温」と分けて保管することが、最近は一人でどうにかやれるようになりました。

でも、帰るとすぐに、来たことも持って来たたもののことも忘れてしまいます。何が宅食で何が生協なのかもすっかり分からなくなって、気分にまかせて手あたり次第に食べていきます。

「いい流れ」

待ちに待った大相撲5月場所の初日。だというのに、ねえちゃは朝からいつものようにテレビも着けずに寝床のなかです。

「相撲くらいみないと、ますます世間から見放されちゃうよ」とやかましくいうと、大関が登場するあたりからやっと起き出してきました。

地元期待の小結御嶽海は、結び前の取り組みで、先場所の初日と同じ横綱鶴竜が相手。

立ち合い、鶴竜の突き押しに下がりながらも食い下がり、横綱が引いた瞬間に一気に押し出しました。

御嶽海はインタビューで「今後いい流れでいける」と、自信の表情を浮かべていました。

ねえちゃも、さすがに「あっ、勝った、勝った」と嬉しそうです。

場所中は相撲をテレビで観る、というだけでもいいので、ねえちゃの生活も「いい流れ」が生まれて欲しいものです。

出前?

今週の月曜日、ねえちゃの家の玄関にある宅食を入れるボックスの隣に、見慣れない容器があるのを見つけました。小ぶりの寿司桶のような、円いかたちの蓋のついた容器です。

「何か出前でも取ったの?」とねえちゃに聞くと、「何にも、記憶にない。それが何なのか、何で置いたかさっぱり分からない」といいます。

出前とせれば、お店の名前も連絡先も書かれていないのでヘンです。が、門から引っ込んだ玄関先までわざわざ誰かが置いていったとも考えにくい。

そのまま玄関に1週間おいみましたが、取りに来る気配はありません。もし、どなたかが差し入れをしてくれたときの容器なら、返さなければいけません。そこで、きょうもう一度、ねえちゃに確認してみました。

ところが、やっぱり思い出すことはできません。近所の人たちに聞いても心当たりはないといいます。ただ、親しいかたは「ゴミ置き場かなんかにあったのを、持ってきたのではないですか」といいます。

ゴミ置き場ならまだしも、どこかのお宅のものを勝手に持って来るようになってしまったとしたら、たいへんです。また少し心配になってきました。

欽ちゃん

“欽ちゃん”こと、萩本欽一さんが、76歳で元気に駒澤大学に通う様子がテレビで紹介されているのを、ねえちゃは羨ましそうに眺めていました。

先生も含めて大学でいちばんの年長者。「若い人の3倍くらい時間がかかる」そうですが、ちゃんと予習したノートを携えて授業にのぞんでおられるようです。

連れ合いが亡くなった直後の6年前、ねえちゃを近くの公民館へ連れて行って、老人大学の説明を受けたことがあります。アルツハイマー病になるずっと前のことです。

係りの女性から「お待ちしています」と入学申し込み書をもらって来たのですが、家に帰るとすっかりその気は失せてしまっていました。

尻込みせずに、ちょっとでもいいから、“欽ちゃん”のように何かに挑戦してみようという気になってくれていたらと、いつも思います。

「ごぶさたしてまして」

最近は、電話をかけたりすることが少なくなってきたねえちゃですが、生きている唯一の姉とは話をしたいという気持ちが強いようです。

「こっちから電話することはあっても、向こうから電話をくれない」と、たまに愚痴をこぼすこともあります。

でも、様子を見ていると、電話を掛けたくなくて掛けて来ないというわけではなさそうです。そんな必要もないくらい、ねえちゃは頻繁に電話をしているからです。

ねえちゃは、電話の冒頭「随分、ごぶさたしてまして」といって話し出しますが、「ごぶさた」どころか、きのう掛けたばかりだったり、さっき掛けたばかりのことがけっこうあるのです。

こちらから頻繁にかけているので、向こうから掛けてもらう必要がないのです。しかも、「バカになっちゃって、バカになっちゃって」と、話すことはいつも同じなのですから。

犬の散歩のお供

きょうは、デイサービスセンターの日です。

「サービス提供体制」「介護職員処遇改善」のため4月から「加算」が変更されたそうで、その確認書に署名・捺印をして、センターへ無事に届けました。

「きょうはセンターで何をやったの?」と聞くと、いつものように「お風呂へ入った」という返事。

「みんなでいっしょに何かしたんでしょ?」というと、「みんなで輪になって、手をつないで楽しく歌をうたったのは覚えてる」といいます。

センターから帰って来たところで、ちょうど、お隣の女性が犬の散歩に出かけるのに出くわしました。

「いっしょに行ってくる」ということになって、犬の散歩のお供の散歩をすることができました。

松井潤
matsuijunta@gmail.com
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