Aokijima

認知症と生きる「ねえちゃ」の近況と、アルツハイマー病に関する覚書です

半寿の賞状

きょうは、デイサービスの日。ねえちゃは、センターから、写真の入った半寿の賞状と記念の「孫の手」をいただいて来ました。

ねえちゃは満81歳。「半」の字が、「八十一」に分解できることから81歳を半寿というそうです。

賞状には「これからも今まで同様に大事な時を積み重ねて、更に自分らしくなっていって下さい」と、意味深いくだりが入っていました。

認知症をかかえる中で、どう「自分らしくなって」いけるのか。なかなか難しい課題です。

ノルバスクに

きょうは午後、かかりつけの神経外科へ行きました。

この夏に入ってから、ずっと血圧が高めな状態がつづいているので、高血圧の薬を変更することになりました。

これまで飲んでいたアテレック錠10mgをやめて、「ノルバスク錠5mg」を飲むことになりました。

ノルバスクは、血管の平滑筋にあるカルシウムチャネルの機能を阻害して、血管を拡張する働きをもつカルシウム拮抗剤の一つ。

細胞内へのカルシウムの流入を減少させることによって、冠血管や末梢血管を弛緩させ、血圧を下げたり、狭心症の発作をおこりにくくするそうです。

新しい薬のために、ピルケースの入れ替えをしなければなりません。

固定資産税納税通知書

1週間ぶりにねえちゃの家を訪れたら「固定資産税納税通知書」というのが届いていました。封書には、信濃町の税務会計課税務係とあります。

どういう経緯で買った土地かは、ねえちゃは完全に忘れていますが、死んだ夫と買った土地であることはまだかろうじて記憶に残ってはいます。

課税地目は雑種地、課税地積395㎡とあります。評価額は年々下がっているので税額も下がってきてはいますが、価値も利用のあてもない土地で、税金だけ取られているというのもスッキリしません。

かといって、地方では、売れない土地や空家があふれているご時世。売ろうとしても、その手間や労力のほうが高くつきそうです。でも、認知症が進む中このまま放っておくというわけにもいきません。

因みに封書には、「ふるさと納税」や「失われた時間をとりもどす森林セラピー体験」なるものの案内も入っていました。

5勝6敗

きょうは、デイサービスの日。週2回通うのにもすっかり慣れてきたようです。

「きょうは何をしたの?」「いつものこと、特別なことはなかった」

「お風呂は入ったの?」「入ったと思う」

「相撲は見てる?」「テレビをつけて、これから見る」

デイセンターへ出かけた日は、何となく快活な気持ちになるようでもあります。

いつの間にか大相撲秋場所は11日目。

期待の御嶽海は優勝争いの単独トップを走る大関豪栄道豪栄道に寄り切りで敗れ、5勝6敗と、負けが先行してしまいました。

成年後見制度

認知症が進んできて、最近ねえちゃは、預貯金の管理や出し入れも思うようにならなくなって来ました。

不動産や預貯金など財産の管理、介護サービスや施設への入所に関する契約、さらには悪徳商法の被害にあわないようにするために、成年後見制度というのがあるそうです。

法定後見制度では、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が、本人の利益を考えながら本人を代理して契約などの法律行為をしたり、法律行為をするときに同意を与えたり、不利益な法律行為を取り消したりして本人を保護・支援してくれるとか。

お金のやり取りについては、ヘルパーさんにお願いするわけにはいきません。いまのところ私が何とかやっていますが、そろそろ専門家に入ってもらうことも考える必要がでてきそうです。

痴呆症と認知症

きょう記者会見があった豊田真由子衆院議員の秘書への暴言問題でも、差別的とも考えられる「痴呆」という言葉が使われたと話題になりました。

認知症は、一昔前までは痴呆症と呼ばれていました。しかし、2004年3月に日本老年医学会で「『痴呆』という言葉が差別的である」と問題提起されます。

これを受けて、同年6月から厚生労働省の用語検討会が設けられ、12月に法令用語を変更すべきだとの検討会報告書がまとめられて認知症を使用する旨の通知が厚労省から出されました。

たしかに「痴」には、愚かなこと、ばかげているなどの意味があり、「呆」も「呆ける」(ほうける)、「阿呆」(あほ)などと使われるなど、あまりいいニュアンスの言葉とは感じられません。

ただ、心理学や計算機科学など人間の知的機能のしくみを探る学問が認知科学という名前で定着していたりするので、使用されるようになって10年以上たついまも、私的には、ねえちゃの病気を認知症というのにはしっくり行かないものをどこかに感じています。

手紙の始末

夕方、ねえちゃから電話がかかってきました。いまのところ、接近している台風の影響はたいしたことなさそうですが、「NTTから何か返せとかいうんだけどどうしたらいいのか」とトラブッています。

「電話が来たの?。郵送で来たの?」と聞くと、送られてきた書類を開けてみたら、どうもそんなふうに書いてあったようです。このあいだKDDIに切り替えた「ひかり」の件だと思われます。

ねえちゃは何が何だか判断できず、すぐどこかへやってしまうので、郵便物は封を切らずにそのままテーブルに置いておき、私が行ったときに処理するから、というふうにいい聞かせてあります。

ところがいつも、それを実行できず、手紙をひらいて放ったらかしにしています。

周りはいろいろ気を配っても、本人は認知症であることも忘れてしまうので、ハタから見ると自分だけは正常だと思っているように思えてカァッとくることがよくあります。

レム睡眠

きょうはデイサービスの日。ねえちゃは、いつものようにやったことはほぼ忘れてしまいましたが、きょうちゃんとセンターへ行ったことは覚えているそうです。

センターへ持っていくカードに、体調や食欲などを聞く欄があります。体調や食欲には日によって若干の変化はありますが、睡眠についてはぐっすり良く眠れるとねえちゃはいつも答えます。

家に居るときは、昼間でも寝ていることが多いのに、それでも夜になればぐっすり眠ってトイレ以外は起きることがないといいます。

睡眠には浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があって、眠りにつくとノンレム睡眠があらわれ、次にレム睡眠へと移行という具合に、90分ほどの周期で一晩に4~5回くり返されています。

オーストラリアのスウィンバーン工科大学の研究者らによると、夢を見やすい「レム睡眠の時間が短い高齢者」ほど、認知症を発症するリスクが高まることがわかったとか。

ねえちゃのように、夢を見ることもなくぐっすり眠れる高齢者は、意外に、認知症のリスクが高いということになるのです。

おにぎり

最寄りのスーパーマーケットが休業になったので、今週から生協の食料品の宅配をいつもより2割くらい多めに注文しています。

「冷蔵庫の中には、惣菜や飲み物、果物までいろいろ入っているので、なんとかなるはず。それでも食べ物が無くなったら、コンビニでおにぎりでも何でも買ってきな」とねえちゃに言っておきました。

「うん、うん」と聞きながらも、「おにぎりくらい、おばあさんでも作れるよ」と不満な様子です。確かにご飯が残ったりしたとき、ねえちゃは以前よくおにぎりを作っていました。そんなこと簡単だ、と思っているのでしょう。

けれど最近は、おにぎりをはじめ、味噌汁や納豆を作ることなど、あえて料理というほどでもない簡単なものさえ、作ることができなくなっています。

「それくらいできる」と思っているねえちゃの意識と、実際にやれることのギャップが、ますます開いてきているなと感じます。

断る勇気

週末に、いっしょに信濃町のコスモス園へ行こうという、同じデイサービスに通うかたからの誘い。

「行きたいの?、行きたくないの?」と聞いても、ねえちゃは「何が何だか分からない」といいます。「できないことは、断る勇気をもたないと」というと、分かったのか分からないのか一応「そうだね」と頷いてはいます。

けっきょく、きょうの午後、その男性が来られた際に「ちょっと行ける状態ではないので」とたしかに断ったといっていました。

ねえちゃは、いまは散歩に出掛けるのも、なかなか難しくなって来ているのですが、どこかへ行こうとかいう誘いを受けると何でも受け入れてしまいます。

しかし、それが親しい友人からだった場合でも、結局「何だったっけ」「どうしよう」「そんなの出来ない」と直前になってパニックを起こして、すっぽかしてしまったり、体がおかしくなったとひと騒ぎするのが常です。

それを本人もある程度は分かっているはずなのですが、記憶にとどまっていてはくれません。

松井潤
matsuijun@jg8.so-net.ne.jp
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